韓流(ハルリュウ)産業の経済規模——K-POPからK-フードまで
韓国のコンテンツ産業「韓流」の経済規模を解説。K-POP、K-ドラマ、K-フード、K-ビューティーが世界市場で持つ影響力と、在住外国人が肌で感じる韓国カルチャー産業の実態。
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ソウルに住んでいると、「韓流」の規模感を外から見ていたときとは違う形で感じることがある。
BTSのバスが走り、BLACKPINK缶コーヒーが自販機に並び、明洞に来る外国人観光客が持っているショッピングバッグに入っているのはだいたいコスメと菓子だ。
これは偶然の文化的流行ではない。韓国政府と民間企業が20年以上かけて作り上げた輸出産業だ。
韓流の経済規模
韓国コンテンツ振興院(KOCCA)の統計によると、韓国のコンテンツ産業の輸出額は年々拡大している。2022年のコンテンツ輸出額は約132億ドルに達し、韓国の代表的な輸出品目のひとつになっている。
K-POP
BTS、BLACKPINK、TWICEなどのグループが代表するK-POPは、音楽そのものの収益に加え、マーチャンダイジング、ファンミーティング、アーティストブランド広告として巨大な経済圏を形成している。
BTSが所属するHYBEの時価総額は韓国上場企業の中でも大型クラスに位置し、K-POPはもはや文化コンテンツでなく、金融市場の一部でもある。
K-ドラマ・映画
Netflixとの関係が韓国コンテンツの国際展開を加速させた。「イカゲーム」「愛の不時着」「梨泰院クラス」はアジアだけでなく欧米でも視聴トップになった。
日本でも韓国ドラマの視聴者数は増加しており、NetflixのK-コンテンツ需要は継続している。
K-フード・K-ビューティー
インスタントラーメン(辛ラーメン等)や海苔菓子の輸出額は増加し、2023年の農食品輸出額は約90億ドル(推定)の規模に達した。コスメブランド(COSRX、Laneige等)はアマゾンUSでトップセラーに入るカテゴリになっている。
ソウルで感じる産業の厚み
在住者として感じるのは、コンテンツ産業と観光・消費が直接つながっている点だ。
明洞・弘大・聖水洞といったエリアには、外国人観光客目当てのK-POPグッズショップ、アイドルカフェ、コスメ路面店が立ち並ぶ。外国人が消費するお金が、直接ソウルの街の賃料と雇用を支えている構造が見える。
韓国在住日本人にとっての「韓流」
ソウルに住む日本人の多くは、K-POPファンとして移住したわけではない。ビジネス、留学、語学、パートナーの都合で来ている人が多い。
ただし、韓流産業が作り出したソウルの国際的な知名度は、在住日本人の生活にも影響する。観光客が増えると人気エリアの家賃が上がり、日本語を話す外国人への反応も変わる。韓流という産業は、観光コンテンツであると同時に、ソウルという都市の経済基盤の一部を構成している。