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韓国の학원(ハグォン)文化——なぜ子どもは学校の後に塾へ行くのか

韓国の학원(ハグォン:私立学習塾)市場は年間約25兆ウォン規模。子どもが学校終わりに複数の塾を掛け持ちする構造の背景と、在住外国人の子育てへの影響を解説します。

2026-04-13
教育ハグォン子育て韓国文化

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韓国の小学生の平日は、学校が終わった後から別のスケジュールが始まる。英語ハグォン、数学ハグォン、ピアノ、水泳——複数の習い事・塾を掛け持ちして夜9〜10時に帰宅する子どもは珍しくない。

「なぜそこまでするのか」という外部からの疑問に対して、韓国の親の多くは「入試のため」「将来のため」と答える。が、それだけでは説明し切れない構造がある。

ハグォン市場の規模

韓国統計庁が公表している사교육비 조사(私教育費調査)によると、2023年の韓国の私教育費(ハグォン・課外活動等を含む)は約27兆1,000億ウォン(約2.8兆円)に達した。小中高の在学生1人あたり月平均約43万ウォン(約45,150円)という試算だ。

全国のハグォン数は10万件を超えており(教育部登録データより)、種類は学科目系から芸術・スポーツまで多岐にわたる。

なぜ塾に行くのか:社会構造的な背景

韓国の大学入学共通試験(수능:スヌン)への競争が強く、大学・学部が就職・収入に直結するという認識が社会全体に浸透している。この構造の中で「他の子がやっているなら自分の子もやらせないと不利になる」という불안(不安)が塾市場を膨らませている。

また、맞벌이(共働き)家庭が増えた結果、「학원에 맡기면 안전하다(ハグォンに預けておけば安全だ)」という放課後の安全管理の側面もある。ハグォンは学習の場であると同時に、親が仕事をしている時間の子どもの居場所でもある。

외국어(外国語)ハグォンと英語

英語ハグォンは特に競争が激しい。幼少期から英語教育を始める가정(家庭)が多く、「영어유치원(英語幼稚園)」と呼ばれる英語専用の幼稚園・保育園も普及している。月謝がKRW1,000,000(約105,000円)を超えるものも珍しくない。

これは韓国企業・大企業採用でのTOEIC・英語面接への要求と連動している。就職で英語が問われるから、逆算して幼少期から英語教育をするという構造だ。

在住外国人の子育てへの影響

韓国ローカルスクールに子どもを入れた在住外国人の家庭は、子どものハグォン通いという課題に直面することがある。クラスの同級生がほぼ全員何らかのハグォンに通っている中で、子どもが「自分だけ行かない」と感じるケースがある。

一方で、韓国の教育競争から意図的に距離を置き、国際学校に入れる選択をする外国人家庭も多い。国際学校の学費は年間KRW20,000,000〜40,000,000(約210万〜420万円)程度の規模感で、会社の教育費補助の有無が判断を左右する。

ハグォン規制と変化

韓国政府はハグォン夜10時以降の営業禁止等の規制を設けているが、実効性は課題として残っている。また、오프라인(対面)ハグォンだけでなくオンラインの塾・アプリも普及しており、교육 시장(教育市場)の形は変わりつつある。

どのような形になっても、「教育への高い投資意欲」という文化的な動機が変わらない限り、ハグォン文化の基本構造は続くと見られている。

在住外国人として韓国の教育文化を知っておくことは、子どもの学校生活を理解する上でも、韓国社会を深く読む上でも有効だ。

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