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インフラ・生活

韓国の配送が異常に速い理由——翌日どころか当日2時間配送の仕組み

Coupangをはじめとする韓国の配送インフラが実現した「ロケット配送」の仕組みと、日本との物流比較。在住者の生活への影響を解説。

2026-04-12
配送Coupangロジスティクス韓国生活

この記事の日本円換算は、100KRW≒10.5円で計算しています(2026年4月時点)。

韓国のECサイトCoupang(쿠팡)では、午前0時までに注文すれば翌朝7時には届く「로켓배송(ロケット配送)」が標準サービスになっている。都市部では2〜4時間以内に届く「당일배송(当日配送)」も選べる。日本のAmazon翌日配送に慣れた感覚でも「速い」と感じるレベルだ。

Coupangの物流投資

Coupangは2010年代に大規模な物流センター網を自社で構築した。「全国100の物流センター」体制を作り、主要都市では自社配達員(쿠팡맨)が直接届ける仕組みにした。Amazon USAが物流内製化に踏み切ったのと同じ戦略だ。

2023年のCoupang売上は約30兆KRW(約3.15兆円)を超え、韓国のEC市場シェアで首位を占めている。同社は2021年にニューヨーク証券取引所に上場しており、その際の時価総額は約60億ドルだった。

深夜配達問題

便利な反面、深夜・早朝配達が社会問題化している。午前2〜4時の配達でマンション内でのエレベーター操作音・台車の音が近隣住民の睡眠を妨げるという苦情が多く寄せられており、ソウル市が深夜配達の制限を議論した経緯がある。

配達員(쿠팡맨)の労働環境も注目された。過重労働・事故のリスクについて報道が続いており、物流の「速さ」がどこかに負担を転嫁して成り立っているという構造は日本の宅配と同じ問題を抱えている。

食料品の生鮮配達

Coupangは食品・生鮮の即日配達(쿠팡이츠마트)にも参入している。冷凍・冷蔵品を含む食料品が数時間で届く。これにより、スーパーに行かずCoupangだけで食料品を調達する生活スタイルが都市部の一人暮らし層に広がっている。

競合する배달의민족(バエダルのミンジョク=配達民族)や요기요(ヨギヨ)は飲食店デリバリーに特化しており、飲食店出前とEC配送の両方が高速化した結果、「外に出ずに生活できる」インフラが完成しつつある。

在住外国人の利用

在住日本人の多くがCoupangを日常的に使っている。韓国語インターフェースだが、Google翻訳との組み合わせで不便なく利用できる。外国人名義のクレジットカード(Visa/Mastercard)で支払い可能。

注意点として、規格外商品や輸入品は時折「配送不可地域」に指定されていることがある。済州島・郁陵島など離島は配送に追加時間・費用がかかる場合がある。

韓国の配送速度は、物流への民間投資と消費者の需要が相互に加速した結果だ。便利さの裏側にある構造的な問題も含めて、在住者として理解しておく価値がある。

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