外国人の国民健康保険——加入義務・保険料・使い方
韓国に6ヶ月以上滞在する外国人は国民健康保険(NHIS)への加入が原則義務となっている。保険料の計算方法・医療費の自己負担割合・日本との違いを解説する。
この記事の日本円換算は、100KRW≒10.5円で計算しています(2026年4月時点)。
韓国に住む外国人の多くは、国民健康保険公団(NHIS: National Health Insurance Service)の加入対象になる。2019年7月から6ヶ月以上滞在する外国人への加入義務化が拡大されており、「知らなかった」では済まない制度だ。
加入義務の対象
原則加入対象(6ヶ月以上の在留許可保持者):
- 雇用許可制・専門職ビザ(E-1〜E-7)保有者
- 結婚移民(F-6)
- 永住ビザ(F-5)
- 留学ビザ(D-2)※一部例外あり
例外(加入不要の場合):
- 外国政府・国際機関の公務員・外交官
- 雇用主の国の医療保険が適用される場合(書類による証明が必要)
- 90日以内の短期滞在
勤務先がある場合は職場健康保険として自動加入になることが多い。個人事業・フリーランスの場合は地域加入者として申請する。
保険料の計算
職場加入者(直接雇用):
- 月額保険料 = 報酬月額 × 7.09%(2024年基準)
- このうち半分(3.545%)を雇用主が負担するため、本人負担は報酬月額の3.545%
例:月給300万ウォン(約31,500円×10 = 約315,000円)の場合
- 本人負担: 300万ウォン × 3.545% ≈ 106,350ウォン(約11,167円)/月
地域加入者(フリーランス等):
- 財産・所得・自動車等を加味したポイント方式で算出される。職場加入者より割高になるケースが多い
自己負担割合と医療費の現実
加入後の医療費自己負担割合:
- 外来診療: 30〜60%(医療機関の種別による)
- 入院: 20%(一般病床の場合)
- 薬(調剤): 30%
1次医療機関(診療所・クリニック)での外来は比較的安い。風邪・発熱での受診なら診察料+薬代で1〜2万ウォン(約1,050〜2,100円)程度のことが多い。
大学病院(総合病院)での外来は紹介状なしに行くと加算料がかかる仕組みになっている(2023年から制度変更)。1次医療機関で診察→必要なら紹介状をもらって大学病院、というルートが推奨されている。
保険証の使い方
NHISの被保険者証(또는 건강보험증)は外国人の場合、在留外国人IDカード(外国人登録証)で代替できることが多い。病院受付で外国人登録証を提示すれば保険適用で受診できる。
語学の問題がある場合は、서울市の外国人専用相談センター(☎1345、24時間多言語対応)を使う選択肢がある。日本語対応が可能だ。
日本の国保との比較
日本の国民健康保険と比べて、韓国NHISは外来での自己負担が重い(日本は3割、韓国は医療機関によって30〜60%)一方、薬が安い傾向がある。高額療養費制度に相当する上限設定もあるため、長期入院・手術の場合は一定額以上の自己負担は免除される。
在住外国人にとって、NHISへの加入は義務であると同時に「公共医療システムを安価に使える権利」でもある。制度を理解して活用する姿勢が、韓国での生活コストを下げることにつながる。