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住居・賃貸

韓国(ソウル)の住居・賃貸ガイド——チョンセとウォルセ、外国人はどちらを選ぶのか

韓国・ソウルで部屋を探すときに知っておきたい賃貸制度(チョンセ・ウォルセ)・エリア別家賃相場・物件タイプ・契約の注意点を解説。日本語対応の不動産会社情報まで。

2026-04-05
家賃相場チョンセウォルセ二村洞賃貸契約ソウル

この記事の日本円換算は、100KRW≒10.5円で計算しています(2026年3月時点)。為替は変動するので、現地通貨(KRW)の金額を基準にしてください。

韓国で部屋を探し始めると、まず「チョンセ」と「ウォルセ」という聞き慣れない言葉にぶつかる。

チョンセは高額の保証金を預けて月家賃ゼロ。ウォルセは保証金+月家賃。韓国独自の二重構造で、日本にはない仕組み。

結論から言うと、外国人の9割以上がウォルセを選ぶ。チョンセは保証金が数千万円規模になるため、短期〜中期の滞在では現実的ではない。

チョンセとウォルセ——韓国の賃貸制度を理解する

韓国の賃貸には2つの方式がある。ここが日本との最大の違い。

チョンセ(全貸)——月家賃ゼロ、保証金は数千万円

物件の売買価格の50〜80%に相当する高額の保証金をオーナーに預け、月家賃を支払わない。オーナーは保証金を銀行預金や投資で運用し、その利益を家賃代わりにする。

退去時に保証金は全額返還される。

項目内容
月家賃なし
保証金物件価格の50〜80%(数千万〜数億KRW)
契約期間2年が基本
退去時保証金全額返還

魅力的に見えるが、外国人がチョンセを利用するケースは1割未満。理由は単純で、ワンルームでも保証金が数千万KRWに達するため。駐在期間が2〜3年の場合、その資金を凍結するメリットが薄い。

ウォルセ(月貸)——外国人の9割以上がこちら

日本の賃貸に近い方式。保証金+毎月の家賃を支払う。保証金はチョンセより大幅に安い。

項目内容
月家賃あり
保証金500万〜1,000万KRW(ワンルームの場合)
契約期間2年が基本
退去時保証金返還(原状回復費用を差し引き)

保証金500万KRW(約52.5万円)〜1,000万KRW(約105万円)は日本の敷金・礼金と比べれば高めだが、チョンセの数千万円に比べれば現実的な金額。

保証金を多く積むと月家賃が下がる仕組みもある。交渉次第だが、長期滞在なら検討の余地がある。

半チョンセ(반전세)——その中間

チョンセとウォルセの中間にあたる方式もある。チョンセほどの高額保証金は積まないが、ウォルセより保証金を多めに預けて月家賃を抑える。

保証金を多く用意できる場合は、不動産会社に「半チョンセの物件はあるか」と聞いてみる選択肢もある。

物件タイプ——5つの選択肢

韓国の住居は物件タイプごとに性格がかなり違う。

アパート(아파트)——日本のマンション相当

韓国で「アパート」と言えば、日本のマンションに相当する大規模な集合住宅のこと。日本のアパート(木造2階建て)とは全く違う。

管理組合・警備員・地下駐車場が整備されており、韓国人に最も人気のある住居タイプ。ファミリー向けの物件が多い。月家賃は200万〜350万KRW(約21万〜37万円)。

オフィステル(오피스텔)——単身者・カップル向け

「オフィス」と「ホテル」を合わせた韓国独自の住居タイプ。ワンルーム〜1LDK程度。セキュリティが良く、駅近物件が多い。家具付きの物件もあり、外国人にとっては入居のハードルが低い。月家賃は50万〜100万KRW(約5.3万〜10.5万円)。

ビラ(빌라)——低層・低コスト

4〜5階建ての低層集合住宅。アパートより安いが、エレベーターなし・管理人不在の物件が多い。住環境はオーナー次第でばらつきがある。月家賃は30万〜60万KRW(約3.2万〜6.3万円)。

ワンルーム(원룸)——日本のワンルームとほぼ同じ

日本のワンルームと感覚は近い。キッチン・バス・トイレが一体化した小型住居。学生や単身者向け。

コシウォン(고시원)——最安だが最狭

3〜5畳程度の極小個室。元々は公務員試験の受験生が勉強するための部屋。保証金不要で月30万〜50万KRW(約3.2万〜5.3万円)程度と最も安い。キッチン・シャワーは共用が多い。

長期滞在には向かないが、渡韓直後の仮住まいや、部屋が見つかるまでのつなぎとしては選択肢に入る。

エリア別ガイド——日本人が多いのはどこか

二村洞・龍山区——「リトルトーキョー」

ソウルで日本人が最も多く住むエリア。「リトルトーキョー」と呼ばれるほど日本人コミュニティが集中している。

日本食レストラン、日系スーパー、日本語の看板が並ぶ。生活するうえで韓国語が話せなくても困る場面が少ない。龍山駅にはKTX(韓国高速鉄道)が停車し、釜山方面へのアクセスも良い。

物件タイプ保証金(KRW)月家賃(KRW)月家賃(日本円換算)
ワンルーム500万〜1,000万約86万約9万円
アパート3LDK2,000万〜1億200万〜300万21万〜31.5万円

日本人学校(ソウル日本人学校は麻浦区)へのアクセスも良く、子育て世帯にも人気。ただし「日本人が多すぎて韓国に住んでいる感覚が薄い」という声もある。

麻浦区——ソウル日本人学校があるエリア

ソウル日本人学校(幼稚部〜中学部)が所在する。弘大(ホンデ)エリアに近く、カフェ・飲食店が多い若者文化の中心地。

物件タイプ保証金(KRW)月家賃(KRW)月家賃(日本円換算)
ワンルーム500万〜1,000万約51万約5.4万円
アパート3LDK約3,000万約250万約26.3万円

二村洞より家賃が安く、日本人学校への通学を考えるならこのエリアが合理的。ローカル色が強いので、韓国語の日常会話ができると生活しやすい。

江南区——ソウル最高額エリア

IT企業・外資系企業・高級商業施設が集中するソウルの中心地。COEX、テヘラン路のオフィス街がある。

物件タイプ保証金(KRW)月家賃(KRW)月家賃(日本円換算)
ワンルーム500万〜1,000万約103万約10.8万円

家賃はソウルで最も高い。職場が江南区内であれば通勤は楽だが、コストを抑えたいなら隣接する瑞草区や松坡区も検討する価値がある。

新村——留学生の街

延世大学・梨花女子大学・西江大学が集中する学生街。留学生向けの手頃な物件が多く、飲食店・カフェが充実している。

物件タイプ月家賃(KRW)月家賃(日本円換算)
ワンルーム45万〜55万約4.7万〜5.8万円

家賃はソウルの中では安め。大学への通学が前提なら、このエリアが最もコストパフォーマンスが良い。

弘大(ホンデ)——若者文化の中心地

アート・音楽・カフェが集まるソウルの若者の街。夜まで賑やかで、活気のあるエリアに住みたい人向け。

物件タイプ月家賃(KRW)月家賃(日本円換算)
ワンルーム55万〜150万約5.8万〜15.8万円

家賃の幅が広い。人気エリアなので駅近・築浅物件は高くなる。麻浦区に隣接しており、日本人学校へのアクセスも悪くない。

賃貸契約——日本との違い

契約期間と保証金

項目内容
標準契約期間2年(住宅賃貸借保護法により、2年未満の契約でも借主は2年間の居住を主張できる)
保証金(ウォルセ)ワンルーム: 500万〜1,000万KRW / アパート: 2,000万KRW〜
仲介手数料法定上限あり。取引額に応じて0.3〜0.9%程度
管理費(관리비)別途。月5万〜15万KRW(約5,300〜15,800円)

日本の「礼金」に相当するものはない。仲介手数料も法定上限があるため、日本より安くなるケースが多い。

確定日字(확정일자)——保証金を守るための必須手続き

韓国の賃貸で最も注意すべきポイントが、保証金の返還トラブル。大家が保証金を返さない、返還を遅延させるケースが一定数ある。

対策として「確定日字(확정일자)」を区役所で取得する。これは契約日を公的に証明する制度で、保証金返還の優先権が得られる。

手続きは簡単で、契約書を持って区役所に行くだけ。費用も数百円程度。必ず取得する。

追加の対策として:

  • 保証金返還保証保険に加入する(住宅都市保証公社が提供)
  • 振込記録を全て保管する
  • 契約書の原本を紛失しない

家具なしが基本

日本やシンガポール・タイと違い、韓国の賃貸は家具なしが基本。冷蔵庫・洗濯機・エアコンは付いている物件が多いが、ベッド・ソファ・テーブルは自分で揃える必要がある。

オフィステルは家具付き物件もあるので、渡韓直後で家具を揃える余裕がない場合はオフィステルを選ぶのも手。

外国人登録と住所変更届

韓国で賃貸契約を結ぶには、外国人登録証(외국인등록증)が必要。入国後90日以内に管轄の出入国管理事務所で取得する。外国人登録証がないと銀行口座の開設もできないため、入国後すぐに手続きを進める。

また、契約後14日以内に出入国管理事務所で外国人登録の住所変更届を出す必要がある。忘れると過料の対象になるので注意。

暖房費(オンドル)に注意

韓国の冬は厳しい。床暖房(オンドル)の暖房費が冬季は月5万〜10万KRW(約5,300〜10,500円)程度かかることがある。契約時に光熱費の目安を確認しておく。

部屋探しの流れ

  1. エリア・物件タイプ・予算を決める — 通勤先・学校・生活スタイルから逆算
  2. 不動産会社に連絡 — 日本語対応の不動産会社がある(後述)
  3. 内覧 — 最低3〜5件は見る。写真と実物の差は韓国でもある
  4. 条件交渉 — 保証金・月家賃・家具の追加等を交渉
  5. 契約締結 — 契約書は韓国語。日本語対応の不動産会社を使えば翻訳・説明を受けられる
  6. 確定日字の取得 — 契約書を持って区役所へ。保証金返還の優先権を確保する
  7. 保証金・前家賃支払い — 銀行振込が一般的
  8. 入居・住所変更届 — 14日以内に出入国管理事務所で届出

日本語対応の不動産会社

韓国語での物件探し・契約交渉に不安がある場合は、日本語対応の不動産会社を利用する選択肢がある。

エイブルソウル

日本のエイブルのソウル支店。日本語で物件探しから契約まで対応。

スターツソウル

日本のスターツグループ。法人契約に強く、駐在員の住居手配に実績がある。

おうちコリア

韓国留学・ワーホリ向けの物件紹介に強い。ワンルーム・オフィステルが中心。

ソウル部屋ナビ

ソウルのワンルーム・オフィステルを中心に日本語で紹介。

まとめ——韓国の部屋探しは「ウォルセ+確定日字+日本語不動産会社」

韓国の賃貸制度はチョンセという独特の仕組みがあるが、外国人にとってはウォルセ一択。保証金500万〜1,000万KRW+月家賃という、日本に近い形で考えればいい。

やることは3つ。

  1. ウォルセ前提で予算を組む — チョンセは外国人には非現実的。ウォルセの保証金+月家賃+管理費(月5万〜15万KRW)で生活費を計算する
  2. エリアは通勤・通学から逆算 — 日本人コミュニティ重視なら二村洞、日本人学校重視なら麻浦区、留学なら新村、コスト重視なら江南区以外
  3. 確定日字を必ず取得する — 保証金の返還トラブルは韓国の賃貸で最も多い問題。確定日字の取得は保証金を守るための必須手続き

ソウルの家賃は東京と比較しても決して安くはない。ただ、二村洞のように日本語で生活できるエリアがあること、保証金を多く積めば月家賃を下げられる柔軟な仕組みがあること——この2点は韓国ならではの利点。


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