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韓国の高校生のリアル:夜11時まで塾に通う日常

韓国の高校生は学校終了後も深夜まで学習塾(ハグォン)で勉強する。その日常スケジュールを追うと、大学受験というゴールに向けて社会全体が設計されていることが見えてくる。

2026-07-08
高校受験ハグォン教育熱スヌン

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ソウルのマンション街を夜11時過ぎに歩くと、リュックを背負って歩く中高生とよくすれ違う。塾の帰り道だ。コンビニのホットコーナーで肉まんを買って食べながら歩いている。

それが普通の光景として存在している。

高校3年生の一日

韓国の受験高校3年生の典型的なスケジュールを整理すると、おおよそこうなる。

  • 07:00 登校
  • 08:00 朝自習開始
  • 09:00〜17:00 授業
  • 17:00〜18:00 夜食・自習
  • 18:00〜22:00 ハグォン(塾)
  • 22:00〜 帰宅、自習
  • 01:00前後 就寝

これを月曜から土曜(時に日曜も)繰り返す。睡眠時間が5〜6時間を切ることも珍しくない。

なぜそこまでやるのか

韓国の大学受験(수능、スヌン)は、年1回の全国統一試験で志望大学がほぼ決まる。SKY(ソウル大・高麗大・延世大)と呼ばれるトップ3大学に入れるかどうかが、初任給・就職先・社会的評価に直結するという強烈な意識が親世代から子に伝わっている。

「いい大学に入らなければ人生が終わる」という感覚は誇張ではなく、実際の採用市場で学歴フィルターが機能していることを親も子も知っている。

ハグォン産業の規模

ハグォン(학원)は単なる塾ではなく、一大産業だ。数学・英語・国語・科学など教科別の専門塾が乱立し、有名講師が年収数億ウォン(数千万円)を稼ぐ。

オンライン学習プラットフォームも成長しており、EBSオンライン講座は国が提供する無料サービスとして普及している。有料のオンライン塾サービスも乱立し、「月10万円以上の学習投資をしている高校生」は珍しくない。

政府はハグォンの夜10時以降の営業を規制する法律を設けているが、抜け穴も指摘されており、実態とのずれが常に議論される。

在住外国人の子どもへの影響

韓国の公立学校に通う外国人の子どもも、この受験文化の影響を受ける。韓国の学校ではクラスメートが塾通いをしていることが当たり前で、勉強のペースが日本や欧米よりも速い。

子どもの韓国語習得と学習ペースへの対応が課題になることが多い。在ソウルの日本人コミュニティでは、韓国の公立よりも日本人学校(ソウル日本人学校)や国際学校を選ぶ家庭も多い。

変化の兆し

一方で、近年は「インソウル(ソウルの大学に入ること)にこだわらない」層も少しずつ増えている。地方国立大学への進学、専門学校・職業訓練ルートの再評価、大学不進学・起業という選択も少数ながら話題になるようになった。

ただし、社会構造自体が急には変わらない。大企業の採用担当者が学歴を基準にする慣行が続く限り、受験戦争の構造は維持されやすい。


韓国の高校生の日常は「ハードだ」と言ってしまえばそれまでだが、その中で友人と夜食を分け合い、楽しさを見つけている姿もある。外から見た「かわいそう」という視線よりも、その中で生きている人間のリアルを見ようとするほうが、韓国社会の理解につながる気がする。

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