Kaigaijin
海外在住日本人のメディア
文化・社会

韓国のペット人口1,500万匹——少子化の裏側で起きている「ペット経済」の膨張

韓国のペット文化の急成長を解説。犬猫の飼育頭数、ペット関連の消費額、動物病院事情、ペット同伴カフェの増加、在住日本人のペット飼育事情まで。

2026-05-09
ペット文化ペット経済少子化動物病院

この記事の日本円換算は、100KRW≒10.5円で計算しています(2026年4月時点)。為替は変動するので、現地通貨(KRW)の金額を基準にしてください。

韓国の合計特殊出生率は0.72(2023年)で世界最低水準。その一方で、ペットを飼っている世帯は全世帯の約30%、飼育頭数は犬猫合わせて約1,500万匹に達している。韓国の人口が約5,100万人だから、3.4人に1匹。「子どもの代わりにペット」という言い方は乱暴だが、数字だけを見ると否定しにくい。

ペット関連市場の規模

韓国のペット産業市場は2023年時点で約6兆ウォン(約6,300億円)と推計されている。2027年には10兆ウォン超えが見込まれる。

成長を牽引しているのはペットフードの高級化と医療費の増加だ。ヒューマングレード(人間も食べられる品質)のフードや、犬用のオーガニックおやつがスーパーの棚を占領している。KRW 30,000〜50,000(約3,150〜5,250円)のプレミアムフードが普通に売れる。

動物病院の費用

韓国の動物医療は日本と同じく全額自己負担。動物病院の料金は標準化されておらず、病院によって大きく異なる。

項目目安
初診料KRW 10,000〜30,000(約1,050〜3,150円)
予防接種(1回)KRW 20,000〜40,000(約2,100〜4,200円)
避妊・去勢手術KRW 200,000〜500,000(約21,000〜52,500円)
歯石除去KRW 150,000〜400,000(約15,750〜42,000円)
MRI検査KRW 500,000〜1,000,000(約52,500〜105,000円)

ソウルの江南エリアには24時間対応の大型動物病院があり、CTやMRIも完備している。人間の病院より設備が充実しているケースもある。

ペット同伴文化

韓国ではカフェを中心にペット同伴可の店舗が急増している。「犬カフェ」「猫カフェ」だけでなく、自分のペットを連れて入れるカフェが街のいたるところにある。

ソウル・弘大(ホンデ)や梨泰院(イテウォン)エリアには、犬用のメニューがある「ペットフレンドリーカフェ」が密集している。犬用のケーキがKRW 15,000〜25,000(約1,575〜2,625円)、犬用のラテがKRW 5,000(約525円)。

一方で、ペット不可のマンションも多い。賃貸契約時に「ペット飼育可」の物件を探すのは日本と同様に手間がかかる。特にチョンセ(전세)契約では家主がペット不可にしているケースが多い。

韓国の犬食文化とその変化

韓国の犬食文化は急速に衰退している。2024年1月に「犬猫の食用禁止特別法」が国会を通過し、2027年から犬の食用目的での飼育・屠殺・販売が全面禁止される。

かつて夏場に補身湯(ポシンタン)を食べる文化があったが、若い世代ではほぼ消滅している。ソウル市内で補身湯を提供する店は年々減少しており、犬=ペットという認識が完全に定着しつつある。

外国人がペットを飼う場合

韓国で外国人がペットを飼うこと自体に法的な制限はない。動物登録(マイクロチップ装着+自治体登録)が義務化されており、外国人登録証があれば手続きできる。

帰国時に日本に連れて帰る場合は、狂犬病の抗体検査と180日の待機期間が必要。韓国から日本への犬の持ち込みは事前の準備期間が半年以上かかるので、飼い始める前に帰国時のスケジュールを逆算しておく必要がある。

コメント

読み込み中...