한과・약과・강정:韓国伝統菓子が若者に再発見されている
약과(ヤックァ)ブームが韓国で起きている。一度は「おじいさんのお菓子」と思われていた伝統菓子が、インスタ映えと健康志向で若い世代に刺さった。その文化的背景を探る。
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2022〜2023年頃から、韓国の若者の間で「약과(ヤックァ)」の人気が爆発した。祭礼や法事のときに仏壇に供えるような「おじいちゃんのお菓子」というイメージがあったものが、突然カフェのスイーツメニューに並び始めた。
약과とは何か
약과は小麦粉・蜂蜜・ごま油・生姜を混ぜて成形し、揚げてから蜜に浸した伝統菓子。外はさっくり、中はしっとりした食感で、蜂蜜の甘さと生姜の香りが特徴的だ。歴史的には宮廷料理でも使われた高級菓子。
価格は伝統菓子店で1個1,500〜3,000ウォン(157〜315円)。最近はカフェで약과ラテ・약과アイスクリームなど派生商品も増えている。
なぜ今ブームなのか
ブームの背景には3つの要素がある。
1. インスタ映え
蜂蜜が光を反射する약과の見た目は、写真映えがする。伝統的な器に盛り付けたスタイリングとの相性も良く、「전통美(伝統の美)」というカテゴリでSNSに投稿されるようになった。
2. 「뉴트로(ニュートロ)」トレンド
뉴트로はニュー(new)+レトロ(retro)の合成語。韓国の若者がかつての韓国的なデザイン・食文化を「おしゃれ」として再解釈するトレンドで、약과はその象徴的な存在になった。
3. 健康・自然素材への関心
人工添加物を使わず、蜂蜜・ごま油・全粒粉といった素材で作られる약과は、健康志向の観点からも評価されるようになっている。
他の伝統菓子も再注目
약과ブームに続いて、他の한과(ハングァ=韓国伝統菓子)も見直されている。
강정(カンジョン): もち米・ナッツを水飴で固めた菓子。サクサクとした食感。
다식(タシク): 米粉や豆粉を型に押して作る干菓子。茶席菓子として使われる。
식혜(シクヘ): 飯を麦芽で糖化させた甘いドリンク。コンビニでも缶入りが売られている。
日本人的には「なじみやすい甘さ」
약과の味覚的な特徴は、日本の和菓子に近い「控えめな甘さ・自然な香り」。アメリカ系のケーキのように砂糖が前面に出る甘さではなく、じわっと広がるタイプ。日本人のお客さんが韓国の伝統菓子店に連れて行くと、「食べやすい」という反応が多い。
서울 인사동(仁寺洞)や 전주(全州)の韓屋村(ハノクマウル)には伝統菓子専門店が集まっており、お土産として持ち帰りやすい包装のものも増えている。
流行は「新しいもの」だけが生み出すわけではない。약과のブームは、忘れられていたものの中に「今の時代の感性に合うもの」があったという話だ。韓国という国の食文化の奥行きを、甘さの中に感じることができる。