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韓国で結婚が「高すぎる買い物」になった理由——住宅と式費用の二重負担

韓国で晩婚化・非婚化が進む背景には、結婚に必要な住宅と式の費用が若者の手の届かない水準にあることがある。結婚を経済的決断として捉え直し、その構造を読み解く。

2026-08-13
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韓国の若者にとって、結婚は愛情だけで踏み切れるものではなくなっている。「結婚したいけれど、お金がなくてできない」という声は珍しくない。背景にあるのは、新居の確保と結婚式という、二つの大きな出費だ。

結婚を一つの経済的決断として見ると、晩婚化・非婚化が進む理由がはっきり見えてくる。

新居が最大の壁

最も重い負担は、住まいの準備だ。

韓国では結婚に際して、新居を構えるのが一般的とされる。だが都市部の住宅価格は高く、チョンセ(保証金型の賃貸)でもまとまった現金が必要になる。ソウルでまともな立地の新居を用意しようとすれば、若いカップルの貯蓄だけでは到底届かない金額になることが多い。

そのため、親からの援助が前提になりやすい。新居の費用をどちらの家がどれだけ負担するかが、結婚話の現実的な論点になる。住宅価格が上がるほど、結婚のハードルも一緒に上がってきた。

結婚式そのものも高い

新居に加えて、結婚式の費用も重い。式場、衣装、写真、新婚旅行、両家への贈り物——一連の出費を合わせると相当な額になる。

「やって当たり前」とされる項目が多く、簡素に済ませたくても周囲の目や慣習が壁になる場面がある。近年は費用を抑えた小規模な式を選ぶ層も増えているが、伝統的な「ひと通り揃える」結婚観はまだ根強い。

つまり結婚は、住居という大型投資に、式という一時的な大型支出が重なる「二重負担」になっている。

経済が感情を縛る

ここで起きているのは、経済的条件が個人の感情の選択を縛る、という現象だ。

「結婚したい」という気持ちがあっても、住宅と式の費用という現実が立ちはだかる。準備が整うのを待つうちに年齢が上がり、晩婚化が進む。あるいは、そもそも条件が整わないと判断して、結婚を選ばない人も増える。

これは少子化とも地続きだ。結婚が遅れ、減れば、出生数も下がる。住宅価格・教育費・雇用の不安定さが連鎖して、若者を結婚や出産から遠ざけている、という構造的な見方ができる。

在住者が知っておくと役立つこと

韓国で結婚を考える日本人にとって、この経済の前提は知っておく価値がある。国際結婚の場合でも、新居や式の費用、両家の慣習をめぐる調整は避けて通れない。

費用の感覚や、どちらの家がどう負担するかという考え方は、日本と異なる部分がある。早い段階で互いの家族と率直に話し合っておくと、後のすれ違いを防ぎやすい。住居の準備については、チョンセや保証金の仕組みを理解しておくと、現実的な計画が立てやすくなる。


韓国で結婚が遠のいているのは、若者の意欲が低いからではなく、住宅と式という二つの大きな費用が、手の届かない水準にまで膨らんだからだ。結婚を経済的決断として見ると、少子化という社会問題の根が、個々の家計のリアルにつながっていることが見えてくる。

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