国民年金と外国人——加入義務・脱退一時金・帰国前に申請すべきこと
韓国で就労する外国人は原則として国民年金に加入する義務があります。帰国時に脱退一時金(탈퇴일시금)として受け取れる制度と申請手続きを解説します。
この記事の日本円換算は、100KRW≒10.5円で計算しています(2026年4月時点)。
韓国で働いていると、毎月給与から国民年金が天引きされている。この保険料、帰国するときに返ってくるのを知っているだろうか。申請を忘れたまま帰国する人が少なくないため、仕組みを整理しておく。
外国人の国民年金加入義務
韓国の国民年金制度(国民年金法)は、原則として韓国で就労する18歳以上60歳未満のすべての人が対象となる。外国人も雇用主のある就労ビザ(E-7、E-3等)で働いている場合は加入義務がある。
免除される場合:本国が韓国と社会保障協定を結んでいる場合、自国の年金制度への加入が証明できれば免除申請が可能。日本と韓国は社会保障協定を2016年8月に発効しており、日本の厚生年金に加入している証明(適用証明書)を雇用主経由で提出すれば、韓国の国民年金加入が免除される。
つまり、日本の会社からの派遣・出向で日本の厚生年金に継続加入しているケースでは、韓国の国民年金保険料は通常二重に払わなくて済む。現地採用で韓国の国民年金のみ加入している場合は、帰国時の脱退一時金が関係してくる。
保険料の水準
国民年金の保険料率は標準報酬月額の9%(2025年時点)で、労使折半のため本人負担は4.5%。月収400万KRW(約42,000円)の場合、本人負担は月18万KRW(約1,890円)程度になる。
脱退一時金(탈퇴일시금)とは
韓国の国民年金加入期間が10年未満の状態で帰国・資格喪失する場合、支払った保険料に利息を加えた金額を「脱退一時金」として受け取ることができる。
受給条件(2025年時点)
- 加入期間が10年未満であること
- 国籍または在留資格を喪失していること(本国帰国、ビザ期限切れ等)
- 支給制限期間(6ヶ月)を経過していること(一部ビザ種別は異なる場合あり)
申請は韓国を出国後でも可能で、国民年金公団(NPS)のウェブサイトからオンラインで申請する方法と、日本の国民年金公団連絡事務所経由で申請する方法がある。
帰国前後の手続き
- 在職中:雇用主(会社)を通じて毎月の保険料が自動天引き
- 退職・帰国が決まったら:国民年金公団(NPS)に脱退申請の準備をする
- 申請書類:パスポート、外国人登録証、通帳コピー(海外送金可能な口座)、脱退一時金申請書
- 振込先:韓国の銀行口座か、本国の銀行口座への送金が可能
振込まで通常1〜2ヶ月程度かかる。申請は出国後6ヶ月以内に行うのが一般的だが、期限が過ぎても申請できる場合がある(詳細はNPSに確認)。
日本人駐在員・現採の違い
- 日本から派遣・社会保障協定適用中:韓国の国民年金は免除。脱退一時金は発生しない
- 現地採用で韓国国民年金のみ加入:帰国時に脱退一時金を申請できる
帰国前に自分がどちらのケースに当たるかを確認し、加入履歴を国民年金公団のサイト(jnpfund.or.kr等)または会社の人事担当を通じて確認しておくと手続きがスムーズだ。