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ソウルのスタートアップエコシステム——テヘラン路から강남テクノベルトへ

ソウルのスタートアップ集積地・投資環境・代表的ユニコーン企業。韓国のスタートアップ市場に関わる人が知るべき構造を解説。

2026-04-12
スタートアップベンチャーソウルテクノロジー

この記事の日本円換算は、100KRW≒10.5円で計算しています(2026年4月時点)。

ソウルは東南アジアを含むアジアのスタートアップ都市ランキングで、シンガポール・上海・北京に次ぐ位置にある。2023年のKPMGのスタートアップ調査でも「アジア太平洋の有望なスタートアップ都市」として名前が挙がっている。スタートアップシーンの規模と特徴を整理する。

集積エリア

ソウルのスタートアップの中心は江南区の「테헤란로(テヘラン路)」周辺だ。GS・現代などの大企業本社やIT系ベンチャー、VCが集まる「韓国のシリコンバレー」と呼ばれるエリアだ。

近年は聖水洞(성수동)にも動きがある。廃工場・倉庫をリノベーションしたコワーキングスペースやスタートアップオフィスが増え、デザイン・フィンテック・ゲーム系のスタートアップが集まりつつある。

政府支援の厚さ

韓国政府はスタートアップ育成に積極的だ。「팁스(TIPS)」という民間主導のスタートアップ支援プログラムは、民間VCの投資に政府が最大5倍のマッチング支援をつける仕組みで、毎年数百社が支援を受けている。

中小벤처기업부(中小ベンチャー企業部)が所管する各種補助金・低利融資も整備されており、「政府サポートを前提にしたスタートアップ経営」が韓国では一般化している。

主要ユニコーン

企業分野評価額(ピーク時)
Kraftonゲーム(PUBG)上場(2021年)
Kakaoプラットフォーム上場
CoupangEC上場(NYSE)
Dunamuクリプト(Upbit)数兆KRW規模
Viva Republica(Toss)フィンテック評価額約10兆KRW超

TossはKakaoPayと並ぶ韓国のフィンテックリーダーで、在韓日本人の間でも送金・決済アプリとして普及している。

外国人がソウルのスタートアップシーンに関わる方法

日本人がソウルのスタートアップシーンに入る経路はいくつかある。

  • D-8ビザ(企業投資ビザ): 韓国に法人を設立して入国する
  • 韓国テック企業の日本市場担当: 韓国語が話せる日本人を求めているスタートアップは存在する
  • コワーキングスペース経由: Sparkplus・WeWork Korea(ソウル)などで働きながらネットワークを作る

言語の壁は高く、韓国語が話せないとテック系コミュニティに深く入ることは難しい。英語で対応できるのは外資系投資家・グローバル展開を狙っている企業のみという場合が多い。

ソウルのスタートアップエコシステムは、政府支援と財閥系大企業による投資・M&Aが組み合わさった独自の構造を持っている。日本のスタートアップシーンとは異なるダイナミクスを理解した上で入っていくと、面白い連携の可能性が見えてくる。

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