トッポッキが産業になった——屋台料理から上場企業へ至る韓国フードチェーンの経済
1杯500KRWの屋台料理から年商数百億の企業まで。韓国のトッポッキ産業の成長と、フランチャイズ化・輸出産業化した背景を解説。
この記事の日本円換算は、100KRW≒10.5円で計算しています(2026年4月時点)。
トッポッキ(떡볶이)は現在、韓国の食品産業の中で独立したカテゴリを形成している。屋台の1杯2,000〜4,000KRW(約210〜420円)の食べ物が、年商数百億ウォンのフランチャイズチェーンになり、海外輸出品目にまで成長した。
規模の数字
韓国農林畜産食品部の資料によると、トッポッキを含む即席・加工食品の国内市場規模は拡大を続けている。「신전떡볶이(シンジョントッポッキ)」「죠스떡볶이(ジョーストッポッキ)」など主要フランチャイズブランドは、それぞれ全国に数百〜千を超える店舗を展開する。
シンジョントッポッキの場合、加盟店の月商は店舗規模により異なるが、繁華街立地で月1,500〜3,000万KRW(約157〜315万円)を売る店舗もある。フランチャイズ加盟金は約1,000〜2,000万KRW(約105〜210万円)と、低資本で参入できる点が拡大を後押しした。
分点(ブンジョム)文化
韓国の屋台・小型フードチェーンには「분점(分点)」という形態がある。本店が人気になると、のれん分けで近隣に小型店を展開する慣行だ。この仕組みが都市の路地裏にトッポッキ店を急増させた背景にある。
輸出品目へ
即席・パック型のトッポッキはラーメンと並ぶ輸出食品になっている。농심(農心)やCJ第一製糖が製造する冷凍・常温のトッポッキは、日本・アメリカ・東南アジアのアジア系スーパーで流通している。
K-POP・Kドラマによるコンテンツ輸出が「韓国の食べ物を見てみたい」という需要を作り、食品輸出の追い風になっている。韓国農林畜産食品部の統計では、加公食品(加工食品)の輸出額が2023年に100億ドルを超えた。
日本人旅行者の体験
ソウルの弘大・明洞・東大門周辺の屋台では、トッポッキの注文は指差しで十分通じる。セルフ式の「セルフバー形式」の店(일반 뷔페형)では自分でソース量を調整できるため、辛さが苦手な人でも楽しめる。
価格は1人分の屋台売りで2,000〜5,000KRW(約210〜525円)。冷凍品を土産として持ち帰る場合は、明洞地下やコスコ韓国(コストコ)で大容量パックが入手できる。
1杯の屋台食から上場レベルの企業まで、トッポッキ産業はフードビジネスの教科書のような成長を遂げている。