韓国地下鉄のマナーと「優先席」文化の徹底度
ソウルの地下鉄は路線数・頻度ともに優秀。優先席の扱い、飲食・スマホ・イヤホンのマナー、在住者が知っておくべき地下鉄の文化ルールを解説する。
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ソウルの地下鉄は快適だ。
路線は9号線まであり(新盆唐線やKORAIL路線を含めると十数路線)、ICカード1枚で乗り継げる。頻度は3〜5分間隔、空調は効いている、ホームドアもある。都市交通として見れば東京と遜色ない水準だ。
ただ、マナーの規範は日本とかなり違う。
優先席(ノヤク石)の扱い
韓国の地下鉄にも優先席はある。高齢者・妊婦・障害者向けに指定された席だ。
日本との最大の違いは、空席でもほぼ誰も座らない点だ。
日本では優先席に一般の人が座り、対象者が来たら譲るスタイルが多い。韓国(特にソウル)では、優先席は空席のまま、誰も座らないのが標準的な光景だ。
これは儒教的な長幼の序の影響とも言われる。「高齢者の座る席に若者が座るのは失礼」という規範が強く働いている。
在住外国人が優先席に座った場合、周囲から指摘されることがある。日本のルール感覚のまま行動すると、意図せずに摩擦が生じることがある点として知っておく価値がある。
飲食・音・スマホ
飲食
飲食は基本的にNG。ただし、ペットボトルの水や蓋付きのコーヒーカップは飲んでいる人をよく見かける。明確に禁止されているのは食べ物を食べる行為で、においが出るものは特に問題になりやすい。
音・イヤホン
イヤホンなしで動画や音楽を流すのはNGだ。これは日本と同じ。
一方、電話での通話は日本より緩い。電車内で普通に通話している人を見かける。「静かにすべき」という規範は日本より薄い。
スマホ操作
スマートフォンを見ながら歩く(スモビ)がソウルでも問題になっている。地下鉄のホームでの「ながらスマホ」による転落リスクが報告されており、注意喚起の放送や床面への案内が増えている。
乗降のルール
乗降の際は「降りる人が先」のルールは日本と同じだ。ただし、出入り口に並んで待つ概念は日本ほど厳格ではなく、人が多いときは多少の混雑になることがある。
基本料金と交通カード
T-moneyなどの交通カードを使うと基本運賃はKRW 1,400〜1,500(約147〜157円)。距離に応じて加算される。ソウルの地下鉄は値段の割に使い勝手がよく、在住者の日常移動の中心になっている。
在住者として慣れること
優先席を避けて座る感覚、電話が来たら普通に出る文化、満員電車でも比較的静かに乗る雰囲気——これらを理解しておくと、日常の移動が少しスムーズになる。