韓国の税金ガイド——所得税・日韓租税条約・年末精算の仕組みを整理
韓国の所得税率・183日の居住者判定・外国人向け19%単一税率・日韓租税条約・年末精算(연말정산)の仕組みを日本人向けに解説。
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「韓国と日本、両方で税金を払うの?」——これが駐在・移住の際に一番よく出る疑問。
結論を先に言うと、日韓租税条約があるので原則として二重課税にはならない。ただし何もしないと両国に申告義務が発生し、調整しないと損をする。仕組みを理解して適切に申告すれば問題ない。
韓国の所得税率
韓国の個人所得税は「종합소득세(総合所得税)」として課税される。累進税率制。
| 課税所得(KRW) | 税率 | 控除額(KRW) |
|---|---|---|
| 14,000,000 以下 | 6% | — |
| 14,000,001〜50,000,000 | 15% | 1,260,000 |
| 50,000,001〜88,000,000 | 24% | 5,760,000 |
| 88,000,001〜150,000,000 | 35% | 15,440,000 |
| 150,000,001〜300,000,000 | 38% | 19,940,000 |
| 300,000,001〜500,000,000 | 40% | 25,940,000 |
| 500,000,001〜1,000,000,000 | 42% | 35,940,000 |
| 1,000,000,001 以上 | 45% | 65,940,000 |
※ 税率には地方所得税(地方税)が別途10%加算される(例: 所得税率24%の場合、実効税率は24%+2.4%=26.4%)
居住者 vs 非居住者——183日ルール
韓国での税務上の居住者認定は、日本とよく似た基準が使われる。
居住者認定の基準(いずれかを満たす):
- 韓国に住所がある(생계를 같이 하는 가족이 있는 경우 含む)
- 1年以上韓国に거소(居所)がある
- 韓国で183日以上滞在した課税年度がある
居住者の場合: 全世界所得が課税対象(韓国外の所得も含む)。外国税額控除で二重課税は回避。
非居住者の場合: 韓国国内源泉所得のみ課税。ただし一部の所得は源泉分離課税(20%)が適用。
短期出張・観光では問題ないが、年間を通じてソウルで勤務する駐在員は実質的に居住者扱いとなる。
外国人向け19%単一税率の選択制度
韓国には外国人向けの特例がある。
概要: 就労開始年度から20年以内の外国人は、韓国源泉の給与所得について「19% の単一税率(지방소득세込みで20.9%)」を選択適用できる。
選択可能な条件:
- 외국인(外国人)
- 就労開始年から通算20年以内
- 韓国の居住者として課税される給与所得
有利になるケース: 課税所得が高い場合。累進税率の最高が45%(地方税込み49.5%)なのに対し、19%(地方税込み20.9%)を選べるため、高所得の駐在員には大幅に有利。
注意点: 選択した年度は年末精算または종합소득세 신고で申告が必要。また、選択年度内に外国人控除(基礎控除、配偶者控除等)との比較計算が必要なケースもある。会社の経理担当または韓国の税務士に確認する。
日韓租税条約
正式名称:「所得に対する租税に関する日本国と大韓民国との間の条約」(1999年発効)。
主要条項
| 所得種別 | 課税権の配分 |
|---|---|
| 給与所得(雇用関係) | 勤務地国で課税(韓国で働けば韓国が課税権を持つ) |
| 183日未満の短期雇用 | 勤務地が韓国でも日本で課税できる特例あり |
| 配当 | 居住地国が課税。源泉地国は一定税率(10〜15%)以下に制限 |
| 利子 | 居住地国が課税。源泉地国は10%以下 |
| 退職金 | 原則として居住地国で課税 |
韓国での給与所得は、原則として韓国が課税権を持つ。日本では「国外源泉所得」として非課税(外国税額控除)または日本での確定申告で調整する。
年末精算(연말정산)
日本のサラリーマンが「年末調整」を会社で行うように、韓国では「연말정산(年末精算)」が翌年1〜2月に実施される。
流れ
- 毎月の給与から所得税が源泉徴収される
- 翌年1月頃、国税庁の「연말정산 간소화 서비스」(簡素化サービス)を通じて、控除証明書類(医療費・保険料・教育費・寄付金等)をダウンロード
- 2月の給与支払い前に会社へ提出
- 会社が精算し、過払いは還付・不足は追加徴収
자동입력 サービス: 국세청 홈택스(www.hometax.go.kr)からオンライン手続きができる。外国人も利用可能だが、공인인증서(電子認証書)の取得が必要。
主な控除項目
| 控除種別 | 概要 |
|---|---|
| 근로소득공제(給与所得控除) | 給与額に応じて自動計算 |
| 기본공제(基礎控除) | 本人・扶養家族1人あたり KRW 1,500,000 |
| 의료비(医療費控除) | 年間医療費のうち総給与の3%超の部分を15%控除 |
| 교육비(教育費控除) | 子ども1人あたり年間 KRW 3,000,000 まで15%控除 |
| 주택관련(住宅関連) | 임차료(賃料)・주택담보대출 利息 等 |
종합소득세 신고(確定申告)との違い
会社員は通常 연말정산 で完結するが、以下のケースは 종합소득세 신고(5月申告)が別途必要:
- 給与所得以外に所得がある(副業・フリーランス収入・不動産賃貸収入等)
- 複数の会社から給与を受けている
- 연말정산 の合算が漏れているとき
日本の申告義務(非居住者として)
海外移住・赴任中でも、日本に残した不動産収入・株式配当等の「国内源泉所得」があれば、日本での確定申告が必要。
日本の非居住者申告(確定申告):
- 申告期間: 翌年2月16日〜3月15日(通常の確定申告と同じ)
- 国内の不動産収入・年金等が対象
- 韓国で課税された外国税額は、日本の確定申告で外国税額控除として申告できる
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