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チョンセ・ウォルセとは?外国人が韓国で部屋を借りる前に知ること

韓国独自の賃貸システム「チョンセ(전세)」と「ウォルセ(월세)」の仕組みを解説。外国人が実際に賃貸契約を結ぶ際の注意点と手順も整理します。

2026-04-14
チョンセウォルセ賃貸韓国生活

この記事の日本円換算は、1KRW≒0.11円で計算しています(2026年4月時点)。為替は変動するので、現地通貨(KRW)の金額を基準にしてください。

韓国の賃貸で部屋を探し始めると、最初に「전세(チョンセ)」「월세(ウォルセ)」という二択を迫られる。日本の賃貸とは根本的に仕組みが異なるため、何も知らずに動くと「なぜこんなに大金が必要なのか」と混乱することになる。まず構造を把握してから物件探しに入ることをおすすめする。

チョンセ(전세)の仕組み

チョンセは「保証金を一括で預け、月額家賃ゼロで住む」賃貸形式だ。物件価格の50〜80%程度の金額を家主に無利子で貸し付け、退去時に全額返却してもらう仕組み。

たとえばソウル市内のワンルーム(원룸)であれば、チョンセ保証金の相場は1億5,000万〜3億KRW(約1,650万〜3,300万円)程度が一般的(2024年、地区によって大きく異なる)。この金額を家主に預ける代わりに毎月の家賃は発生しない。

なぜこういう制度が生まれたか

高度成長期の韓国では銀行の預金利率が10〜20%台に達していた時期があった。家主は保証金を銀行に預けるだけで利息が入り、テナントは月払いより資金効率が良かった。金利低下後も制度は残り、現在は家主側が保証金を運用(株・別の不動産購入等)する形で機能している。金利環境が変わる中で「깡통전세(カンチョンチョンセ、缶チョンセ)」リスク(保証金が返ってこない詐欺的状況)が社会問題になっており、2022〜2024年にかけて被害が多発した。

ウォルセ(월세)の仕組み

ウォルセは保証金(일반 보증금)+毎月家賃を払う形式。日本の賃貸に近いが、保証金は日本の敷金より高めに設定されることが多い。

ソウル市内のワンルームであれば、保証金1,000万〜5,000万KRW(約110万〜550万円)+月額家賃40万〜80万KRW(約44,000〜88,000円)程度が目安。保証金が高いほど月額家賃が下がる設定が可能で、「전세 vs 월세 転換」の計算式(전월세 전환율:5〜6%が相場)が使われる。

外国人が韓国で賃貸契約する際の現実

外国人でも韓国でチョンセ・ウォルセ契約は可能だ。ただしいくつかのハードルがある。

外国人登録証が必須

在留外国人として登録されている証明(外国人登録証)があれば、住民センター(주민센터)で「확정일자(確定日付)」を押してもらうことができる。これは後述の対抗力確保のために重要だ。

전입신고(転入申告)と확정일자(確定日付)を必ず行う

賃貸契約後にこの2つを行わないと、家主が破産した場合に保証金が返ってこないリスクがある。物件に対する「優先순위(優先順位)」を法的に確保するための手続きで、住民センターで当日申請・処理できる。外国人でも外国人登録証があれば申請可能。

부동산(不動産会社)を通じた仲介

韓国では부동산(プドンサン)と呼ばれる不動産仲介業者が街中に多数ある。仲介手数料(중개 수수료)は取引金액に応じて法定上限が定められており、ウォルセの場合は月額家賃×月数等をベースに計산される(宅地建物取引業法相当の法律で上限規制あり)。

外国語対応の不動産業者はソウル市内の外国人集中エリア(梨泰院・望遠・松坡区など)に存在する。日本語対応可能な업체を選べると、契約書の読み合わせが格段に楽になる。

2024年以降の市場変化

チョンセ詐欺問題(2022〜2023年に多発)を受けて、韓国政府は2023〜2024年にかけてチョンセ保証保険の加入義務化や登記簿確認の徹底化を進めている。外国人がチョンセ契約を結ぶ際は、

  1. 등기부등본(登記簿謄本)で抵当権・差押の有無を事前確認
  2. 전세보증보험(SGI서울보증またはHUG住宅都市保証公社)への加入

の2点を特に意識してほしい。保証保険の保険料は保証金の0.1〜0.2%程度(年額)で加入でき、万が一の際に保険会社が代位弁済する仕組みだ。

短期滞在(旅行・出張)なら別の選択肢

旅行・出張で1ヶ月未満の滞在であれば、チョンセ・ウォルせではなく고시원(コシウォン:格安個室滞在施設)、서비스드 아파트(サービスアパート)、エアビーが現実的な選択肢になる。고시원は光熱費込みで月15万〜35万KRW(約16,500〜38,500円)程度から利用できる施設も多い。

韓国の住宅事情についてはソウルのエリア選びも参考にしてほしい。

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