ボルネオ島という別世界——オランウータンと熱帯雨林のマレーシア側
マレーシア領ボルネオ(サバ・サラワク州)はオランウータン・テングザル・ピグミーゾウが生息する熱帯雨林の宝庫。観光と自然保護の現状、訪れる際の注意点を解説します。
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コタ・キナバルから小型機に乗り、ジャングルの上を飛ぶ。眼下に続く緑の海。これが「マレーシア」というひとつの国の、もう一つの顔だ。
クアラルンプールのペトロナスタワーと、ボルネオのオランウータンが同じ国に存在することを、多くの人は意外に思う。
サバとサラワク——マレーシア半島とは別の世界
マレーシアは半島部(西マレーシア)とボルネオ島のサバ・サラワクの二部構成だ。
サバ州の州都はコタ・キナバル(KK)。「アジアの屋根」と呼ばれるキナバル山(標高4,095m、マレーシア最高峰)がある。サラワク州の州都はクチンで、大都市ではないが文化的・自然的な魅力が多い。
半島部とは異なる民族(カダザン族、イバン族等の先住民族)が暮らし、独自の文化を持つ。
ボルネオの野生動物
ボルネオはボルネオ固有種の野生動物の宝庫だ。
オランウータン:ボルネオオランウータンはボルネオ島固有種。棲息地の減少(アブラヤシ農園化)で絶滅危惧種に指定されている(IUCNレッドリスト)。サバ州セピロックのオランウータン・リハビリセンターでは保護・放野活動を観察できる。
テングザル:鼻が大きく、半水生のユニークな霊長類。ボルネオ固有種で、キナバタンガン川流域での観察が有名。
ボルネオピグミーゾウ:体がやや小さいボルネオ固有のゾウ。温和な性質で知られる。
クロコダイル・ボルネオオオトカゲ:川辺での注意が必要だが、野生観察の対象にもなる。
熱帯雨林の消失問題
ボルネオの熱帯雨林は、アブラヤシ(パームオイル)農園への転換が進んだことで大幅に失われてきた。
マレーシアはパームオイルの世界最大生産国のひとつ(インドネシアと競う)で、その多くがボルネオで生産される。食品・洗剤・化粧品の原料として世界中で使われるパームオイルの需要が、森を農園に変えてきた。
「エコ・フレンドリーな製品を選ぶ」という消費者の行動が、ボルネオの森の残存面積と無関係ではない。
観光で行くなら
コタ・キナバルは国際線が就航しており、アクセスが比較的容易だ。
キナバル山登山:2日間のハイキングで登頂可能(要事前予約。山岳ガイド必須)。高度3,000m超のため高山病に注意。
キナバタンガン川リバーサファリ:ボートで川沿いを移動しながら野生動物を観察。早朝・夕方が活動時間と重なり観察チャンスが高い。
マンタナニ島・シパダン島:世界有数のダイビングスポット。シパダンは入島制限があり事前予約が必要。
半島部のマレーシアとは全く別の体験が待っている、という期待感でボルネオを訪れると、それ以上のものを得られることが多い。