経済・ビジネス
マレーシアで会社を設立する——Sdn BhdとLabuan会社の違いと手続き
マレーシアでの法人設立の選択肢。Sdn Bhd・Labuan会社の特徴比較と設立コスト・手続きの実際。
2026-04-12
法人設立会社設立Sdn BhdLabuanマレーシア起業税金
この記事の日本円換算は、1MYR≒33円で計算しています(2026年4月時点)。為替は変動するので、現地通貨(MYR)の金額を基準にしてください。
「マレーシアで会社を作る」と決めたあとに直面するのが、「どの形態で設立するか」という選択だ。
選択を誤ると、意図していた税務上の優遇が受けられなかったり、ビザとの組み合わせが機能しなかったりする。代表的な2つの形態の違いを理解してから動くことが大切だ。
Sdn Bhd(Sendirian Berhad)
マレーシアで最も一般的な法人形態。日本の「株式会社」に相当するプライベートリミテッドカンパニーだ。
特徴:
- 法人税率:24%(一定の中小企業は最初のRM600,000に対して17%)
- 最低取締役2名(外資の場合、うち1名は居住者取締役が推奨)
- 最低資本金:原則RM1から可能(ただし外資企業はRM500,000が実務上の基準になるケースも)
- マレーシア国内で事業活動を行う場合はSdn Bhdが基本
外国人が100%保有できる業種(例):
- ITサービス・ソフトウェア開発
- 製造業(特定条件付き)
- コンサルティング(一部)
一方、飲食・小売・医療等の特定業種は外資規制があり、現地資本との合弁が必要になる場合がある。業種ごとの外資規制はMIDA(マレーシア投資開発庁)や専門家に確認が必要だ。
Labuan(ラブアン)会社
ラブアンはマレーシアの連邦直轄区で、国際ビジネス・金融センターとして整備されたオフショアエリアだ。
特徴:
- 法人税率:3%(トレーディング活動の場合)
- 法人税:固定額RM20,000(非トレーディング活動)
- 外国人100%保有が原則可能
- マレーシア国内での事業収入には適用されない
向いているケース:
- 国際的な取引・投資管理
- 知的財産のライセンス管理
- グループ内の資金管理会社
注意点として、Labuan会社は「国外向け事業を行う」ことが前提で、マレーシア国内市場向けの事業(例:KLでのレストラン経営)にLabuan会社を使うことはできない。
コスト比較
| 項目 | Sdn Bhd | Labuan会社 |
|---|---|---|
| 設立費用の目安 | MYR 2,000〜5,000 | USD 1,000〜3,000程度 |
| 年間維持費用 | MYR 3,000〜8,000(会計・秘書費込) | USD 2,000〜5,000程度 |
| 法人税率 | 17〜24% | 3%(トレーディング) |
| 国内事業 | 可 | 原則不可 |
設立の流れ(Sdn Bhd)
- SSM(マレーシア企業委員会)での会社名承認申請
- 法人設立書類の準備・提出(定款・取締役情報等)
- SSMからの法人証明書発行(早ければ1〜2営業日)
- 銀行口座開設(書類準備が必要、数週間かかることも)
- 業種によるライセンス取得(飲食・医療等)
- 就労ビザ申請(外国人が就業する場合)
会計事務所や設立代行業者に依頼すれば、書類準備の手間を大幅に減らせる。
専門家への相談
法人設立は制度の解釈が複雑で、業種・国籍・資本構成によって要件が変わる。インターネット上の情報は古い場合があるため、マレーシアの会計士・弁護士・ビジネス設立代行業者への相談が現実的だ。JETROクアラルンプール事務所も無料相談窓口を設けている。
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