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マレーシアで会社設立——外国人オーナーが直面する最低資本金・就労ビザ・取締役の壁

マレーシアは外資100%の会社設立が可能だ。ただし最低資本金・外国人取締役規制・就労ビザの連動など、KLの日系会計事務所でしか教えてもらえない現実がある。

2026-07-22
起業会社設立ビジネスビザマレーシア

この記事の日本円換算は、1MYR≒34円で計算しています(2026年5月時点)。為替は変動するので、現地通貨の金額を基準にしてください。

マレーシアで会社を作ろうとした日本人が、手続きを進める中で「これは事前に知りたかった」と気づく情報がいくつかある。

マレーシアは外国人による100%出資の会社設立が可能で、法人設立コストはシンガポールより低いとされる。ただしそれはスタートラインの話で、実際に動かすと別の問題が出てくる。

Sdn Bhd(有限責任会社)の基本

マレーシアの法人形態で外国人が最もよく使うのは「Sendirian Berhad(Sdn Bhd)」——日本の株式会社に相当する有限責任会社だ。

設立にはSSM(Companies Commission of Malaysia)への登記が必要で、費用はMYR 1,000〜3,000(34,000〜102,000円)程度が目安とされる(推定・登記代理費用を含む)。登記自体は数日〜2週間程度で完了するケースが多い。

外国人が引っかかりやすい「取締役規制」

Sdn Bhdの設立には、マレーシア居住者(ordinarily resident)の取締役が1名以上必要だ。外国人だけで設立しようとすると、この条件でつまずく。

実務的には「現地の日本人知人に名義を貸してもらう」「代理取締役サービスを使う」などで対応するケースがある。ただし代理取締役は実際のコントロールが外れるリスクもあり、KLの日系会計事務所に相談して適切な方法を選ぶのが現実的だ。

最低資本金と外国人就労ビザの関係

会社を作っても、外国人オーナーがその会社で働くには就労ビザ(Employment Pass)が別途必要だ。

Employment Passを取得するには、会社の資本金や財務条件、雇用する現地社員数などの要件を満たす必要がある。「自分の会社なのに自分の就労ビザが通らない」という事態が起きることがある。

一般的に外国人が就労できるEPの取得には、会社の資本金が相応の水準(数十万MYRの目安という声があるが要確認)に達していることが条件になる場合がある。数字は頻繁に更新されるため、申請前に最新の要件を確認する必要がある。

MM2H保持者は就労できない

MM2Hビザで長期滞在している人が「会社を作って働こう」と考えるとき、一つの壁がある。

MM2Hは就労を認めないビザだ。マレーシアで設立した会社でも、就労許可なしには従業員として働けない。会社設立とEP取得の申請を並行して進めるか、会社を所有しつつ「働いている」と見なされない範囲で関与するかの判断が必要で、専門家への確認が不可欠だ。

実際にかかるコスト感

会社設立から最初の1年で必要になる費用の目安(推定):

  • 設立登記費用(代行込み): MYR 2,000〜5,000(68,000〜170,000円)
  • 会計・秘書サービス(年間): MYR 3,000〜8,000(102,000〜272,000円)
  • オフィス(仮想住所含む): MYR 300〜2,000/月(10,200〜68,000円)

法人を動かし続けるための維持コストは、シンガポールより安いとはいえゼロではない。事業規模と収益見込みに応じて「本当に法人が必要か」を検討する価値がある。

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