マレーシアのEPF(従業員積立基金)——外国人が加入するとどうなるか
マレーシアには日本の厚生年金に相当するEPF(Employees Provident Fund)がある。外国人の加入は任意で条件が異なる。帰国時の引き出し方法と、加入すべきかどうかの判断基準を整理する。
この記事の日本円換算は、1MYR≒34円で計算しています(2026年5月時点)。為替は変動するので、現地通貨の金額を基準にしてください。
マレーシアで働く外国人がよく見落としがちな制度の一つがEPF(従業員積立基金)だ。
日本の厚生年金・国民年金に相当するもので、マレーシア市民・永住権保持者(PR)は雇用主・従業員双方からの拠出が義務付けられている。
外国人の場合の扱い
外国人就労者(Employment Pass保持者等)のEPF加入は義務ではなく、任意加入になる。ただし「任意」であっても、雇用主との合意があれば加入できる。
外国人が加入する場合の拠出率は、2026年時点で雇用主側・従業員側ともにマレーシア市民と異なる(外国人には下限率が適用される場合があるため要確認)。
帰国時の引き出し
外国人がマレーシアを離れる際(永久帰国の場合)、EPFの積立金を全額引き出せる。必要書類はEPF事務所での手続きで取得でき、リンギットで受け取ってから日本円に両替する流れになる。
ただし引き出し時にEPFの残高が一定以上ある場合、一部が「長期勤続のための積立」として制限される仕組みがある場合もあるため、担当窓口での確認が必要だ。
加入すべきか
加入するメリット:
- 雇用主が拠出分(会社側の掛け金)は実質的な「追加給与」になる
- EPF積立金には年利が付く(過去実績で5〜6%前後が多かった、推定)
加入しないメリット(実質デメリットの回避):
- 手続きが簡単
- 帰国時の引き出し手続きが不要
短期滞在(2〜3年)の場合は手続きコストが見合わないケースもある。長期滞在・長期雇用契約の場合は加入を検討する価値がある。
実際の手続き
雇用主が給与から控除してEPFに振り込む仕組みのため、まず雇用主と「外国人のEPF加入を希望する」を確認・合意することが必要だ。EPFのウェブポータル(i-Akaun)で残高管理ができる。
「知らなかったから加入していなかった」ケースは外国人に多い。長期在住者は一度確認する価値がある制度だ。