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ヘイズ(煙霧)問題——インドネシアの山火事が毎年マレーシアを覆う現実

マレーシアのヘイズはインドネシア・スマトラ島やボルネオ島の農地焼却から発生します。毎年9〜10月に悪化する大気汚染の仕組みと、在住者が取るべき対策を解説します。

2026-04-30
マレーシアヘイズ大気汚染健康環境

空が霞んで太陽がオレンジ色に見える日がある。臭いも少し焦げたような感じで、外に出るとのどがイガイガする。これがヘイズだ。マレーシアに住む限り、毎年これと向き合うことになる。

ヘイズの原因はインドネシアの農地焼却

ヘイズの主な発生源は、インドネシアのスマトラ島やカリマンタン(ボルネオ)でのパーム油農園・農地開発に伴う野焼き(slash-and-burn)だ。乾季(8〜10月頃)に集中して起こり、煙が偏西風に乗ってマレーシア・シンガポールに流れてくる。

この問題は1990年代から繰り返されており、インドネシア・マレーシア・シンガポールの外交課題にもなっている。インドネシアは野焼きを法律で禁止しているが、大規模農園や地方の農家による違反が続いており、完全な解決には至っていない。

API(大気汚染指数)の読み方

マレーシアの大気汚染は「API(Air Pollutant Index)」で管理されている。

APIレベル状況行動目安
0〜50良好通常通り
51〜100普通特に問題なし
101〜200不健康屋外活動を制限
201〜300非常に不健康屋外活動を避ける
300以上危険自宅待機

リアルタイムのAPIはマレーシア環境局(DOE)の公式サイトや「AirVisual」「IQAir」アプリで確認できる。クアラルンプール中心部と郊外では数値が異なることもあるため、居住エリアに近いステーションのデータを確認するとより正確だ。

2015年・2023年のひどい年

特に記録的だったのは2015年で、マレーシア全土でAPIが300を超えるエリアが続出し、学校が閉鎖された地域もあった。2023年もジョホールバルやランカウイ周辺で200超えが続いた時期があった。

悪い年は9月〜10月に1〜3週間、屋外での活動が制限される程度の汚染が続く。

在住者の対策

マスク:N95またはKN95マスクが有効。サージカルマスクはヘイズの微粒子(PM2.5)を通してしまうため、ヘイズが強い日は効果が薄い。常備しておくと安心だ。

空気清浄機:自宅に空気清浄機を置く在住者は多い。HEPA+活性炭フィルター付きのモデルが推奨される。マレーシアのEコマース(Shopee・Lazada)でMiyako・SharpやPhilipsのモデルが3,000〜8,000MYR(約96,000〜256,000円)程度で流通している。

屋外運動の中止:ジョギングや屋外スポーツはAPI150以上では避けたほうがいい。特に子どもや喘息持ちの人への影響が大きい。

換気の工夫:ヘイズが強い日は窓を閉め、エアコンの外気取り込みを切る。

子どもへの影響と学校対応

マレーシアの教育省は、地域のAPIが200を超えると学校閉鎖の判断基準としているが、判断は州政府・学校単位に委ねられる部分もある。在住日本人の子どもが通う日本人学校も、同様の基準でオンライン授業に切り替える対応を取ることがある。

ヘイズの時期(8月末〜10月)は、子どもの屋外活動について学校のアナウンスを確認する習慣をつけておくと安心だ。

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