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マレーシア移住を選ぶ日本人の「理由」が変わった——10年前はリタイア、今は何か

かつてマレーシアへの移住はMM2H退職移住が中心だった。今は30〜40代のリモートワーカー・フリーランサー・家族移住が増えている。何が変わったのか、KLの日本人コミュニティの変化を読む。

2026-07-29
移住日本人コミュニティリモートワークマレーシア

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2010年代前半、マレーシア移住を選んだ日本人の多くは60代前後のリタイア層だった。MM2H(Malaysia My Second Home)ビザが2009年頃から日本で知られ始め、「老後は物価の安い海外で」という移住ブームが起きた。当時の象徴的な言葉は「年金でゆったり暮らせる」だった。

2020年代に入り、KLの日本人コミュニティは様相が変わった。

変化の中心は年齢層

今、マレーシア(特にKL)への移住者として目立つのは30〜40代だ。リモートワーク移住・フリーランサー・スタートアップ関係者・子どもを連れた家族移住が増えている(推定——正確な統計はない)。

背景には複数の要因がある。コロナ禍で日本企業のリモートワーク許容度が上がったこと、KLのコワーキング環境が整ったこと、タイ・シンガポールに比べてコストが安いことが再評価されたこと。

「安いから来た」から「選んで来た」へ

以前の移住層は「日本より安い」が主な理由だった。今は「選択肢として選んだ」という認識の人が増えている。

英語環境・多民族社会・自然の近さ・東南アジアへのアクセス——これらをポジティブな価値として捉えてKLを選ぶ人がいる。「日本を逃げた」のではなく「KLを選んだ」という自己認識の違いは、コミュニティの雰囲気にも影響する。

MM2Hの変化が与えた影響

2021年にMM2H制度が大幅に変更され、最低預金要件・最低月収要件が引き上げられた。これによって「手軽に取れるビザ」ではなくなり、退職移住層の一部は他国(タイ・ポルトガル・ポルトガルなど)へ流れたとされる。

代わりにDE Rantau(デジタルノマドビザ)やEntrepreneurビザを活用してKLに拠点を置く層が登場した。

在住者コミュニティの多様化

10年前のKL日本人コミュニティは「日本人学校の保護者」「駐在妻」「退職者」が中心だったとされる。今は「フルリモートで日本のクライアントと仕事する人」「マレーシア系企業に現地採用で入った人」「KLから東南アジア各国を行き来するビジネスパーソン」が混在する。

同じ「KL在住日本人」でも、ライフスタイル・収入形態・言語環境が大きく異なるため、一枚岩のコミュニティとは呼びにくくなっている。

移住の「正解」が変わった

リタイア移住ブームの頃は「年金額×物価差でどこが得か」という計算が移住判断の中心だった。今は計算式より「どんな環境で生きたいか」という問いに答えを持っている人がKLを選ぶ傾向がある。

マレーシアという場所が変わったわけではない。そこを選ぶ人の理由が変わった。

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