マレーシアのラマダンを体験する——断食月が変える街の空気
マレーシアはムスリム人口が多く、ラマダン(断食月)期間は街の雰囲気が変わる。ラマダンバザールの賑わい、断食中の職場環境、外国人としての過ごし方を解説します。
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ラマダンが始まると、マレーシアの朝が少し静かになる。
ムスリムのマレー系同僚がランチに行かなくなる。道路沿いに夕方からラマダンバザールが開く。モスクから礼拝を告げるアザーンが一日5回流れる。
この変化は「不便」よりも「豊か」に感じる要素が多い。一年で最も食の祭りが集中する時期でもある。
ラマダンとは何か
ラマダン(アラビア語でラマダーン)はイスラム暦の第9月に当たり、約30日間続く。この期間、成人のムスリムは日の出(ファジル礼拝)から日没(マグリブ礼拝)まで飲食・喫煙・性行為を控える義務がある。
ラマダンは年によって開始日が変わる(イスラム暦は太陰暦のため、グレゴリオ暦とは毎年11日ほどずれる)。
ラマダンバザールの楽しみ
ラマダン中の夕方(日没の1〜2時間前頃)に開かれるラマダンバザールは、マレーシア在住者が楽しみにする年間恒例行事だ。
イフタール(断食明けの食事)向けの料理が集中して並ぶ。
よく見かける食べ物:
- ブッブル(おかゆ)
- アヤム・パーカ(ハーブ入り鶏の煮込み)
- ナシ・クラブ(パンダン・ご飯)
- クエ(マレー系スイーツ)各種
- テ・タリ(ミルクティー)、新鮮なジュース
これらが夕方の一定時間だけ、安い価格で大量に売られる。日本でいう祭りの屋台が毎日30日続く感覚だ。
断食中の職場と外国人の対応
断食中のマレー系同僚と共に働く外国人は、いくつかの配慮があると関係がよくなる。
- ランチの誘いは「あなたを除いて行く」のではなく、「ラマダン中は行かなくてもいい」という配慮を示す
- 断食者の前で大量に食べたり飲んだりすることを控える(ランチは別の場所で食べるか、控えめに)
- 「大変そうだね」ではなく「ラマダン・カリーム(よいラマダンを)」とポジティブに声をかける
ハリラヤ(断食明け祭り)
ラマダン終了後のイード・アル=フィトル(マレーシアでは「ハリラヤ・プアサ」と呼ぶ)はマレーシアの最大の祝日だ。
マレー系の家庭がオープンハウスを開き、中華系・インド系・外国人の友人・同僚を招いて食事を振る舞う慣習がある。招かれたら行く、これがマレーシア多民族社会の美しい側面だ。
食べ物は全てハラルで、「ドドール」「レンダン」「クタパン」などの特別料理が並ぶ。ハリラヤ期間中はマレーシア全体が温かい空気に包まれる。