マレーシアの税務居住者判定と日本との二重課税——183日ルールの実際の使い方
マレーシアに183日以上滞在すると税務上の居住者となり、累進税率(最高24%)が適用される。日馬租税条約・海外所得の扱い・MM2H保持者の特例を含めて整理する。
この記事の日本円換算は、1MYR≒34円で計算しています(2026年5月時点)。為替は変動するので、現地通貨の金額を基準にしてください。
マレーシアの個人所得税は、「税務上の居住者(Tax Resident)」かどうかで税率が変わる。
183日ルールが基本で、暦年(1月〜12月)に183日以上マレーシアに滞在した場合、税務上の居住者として累進税率が適用される。183日未満の非居住者には所得の一律30%が課税される。
累進税率の概要
税務居住者の個人所得税は累進課税で、最初の5,000MYRは0%、所得が上がるにつれて税率が上がる。最高税率は24%(年収約100万MYR以上の部分に適用)。
日本の最高55%(所得税45%+住民税10%)と比べると、中〜高所得者には大きなメリットがある。
マレーシアで課税される所得の範囲
マレーシアでは、マレーシア国内源泉所得(マレーシアの雇用主から受け取る給与など)に対して課税される。
2022年以降、マレーシアは「海外で稼いで国内に持ち込んだ所得」への課税を一部で開始した(一定の条件下で免除あり)。この変化はMM2H保持者・リタイア組・リモートワーカーに影響する可能性がある。
日本との租税条約
日本・マレーシア間には租税条約(DTA)が締結されており、原則として一方の国での課税が他方で控除される二重課税防止の仕組みがある。
ただし条約の適用方法・所得の種類によって処理が異なり、専門家(税理士)への確認が推奨される。
MM2H保持者の税務
MM2Hビザで退職移住している場合、マレーシア国内に雇用関係がなく、年金・運用収益が海外源泉であれば原則として課税対象外になるとされてきた。
ただし2022年以降の政策変更(海外所得課税の見直し)を受けて、個別の状況確認が必要だ。「以前は大丈夫だったから今も大丈夫」と自己判断せず、KLの税理士事務所(日本語対応あり)に現在の自分の状況を確認することが実用的だ。
確定申告の義務
マレーシアで課税対象の所得がある場合、毎年4月末(または5月末)を期限とした確定申告(e-Filing)が必要だ。初めての申告前にIRBM(内国歳入局)でのMyTax登録が必要になる。