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MM2Hビザの現実——改訂後の条件と「使えるビザ」に戻ったかどうか

マレーシアMM2H(マイ・セカンドホーム)ビザの最新条件を解説。2021年の大幅改悪から2024年改訂までの流れ、現在の財産要件・滞在条件、申請の実際のプロセスまで。

2026-04-21
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この記事の日本円換算は、1MYR≒32円で計算しています(2026年4月時点)。為替は変動するので、現地通貨(MYR)の金額を基準にしてください。

「MM2Hが改悪された」という情報が拡散したのは2021年のことだ。それまで在住外国人に人気だったビザが、ほとんどの日本人には手が届かない条件になった。

2021年の改訂では、月収要件がMYR 10,000から40,000(約128万円)に、固定資産要件がMYR 35万から150万(約4,800万円)に引き上げられた。3ヶ月以内のマレーシア滞在義務も加わった。年金生活者や早期退職者を念頭に設計されていた元々のコンセプトとは、全く別のビザになった。

2024年改訂——条件は緩和されたが…

マレーシア政府は申請数の激減を受け、2024年にMM2Hを再度改訂した。

要件2021年版2024年改訂版
月収証明MYR 40,000MYR 10,000
固定資産・流動資産MYR 150万MYR 150万(維持)
銀行残高(マレーシア国内)MYR 100万MYR 150万
滞在義務年90日以上年90日以上(維持)

月収要件は2021年以前の水準(MYR 10,000)に戻った。これはかなり緩和された部分だ。

一方、資産要件は依然として高い。マレーシア国内銀行口座にMYR 150万(約4,800万円)の預金残高が必要。これは日本の定年退職者でも、かなりの資産保有者でないと満たせない水準だ。

ビザの種類——「プレミアム」と「標準」

2024年改訂後、MM2Hは複数のカテゴリに分かれた。最も条件が厳しい「プレミアム」カテゴリはイスカンダル地区(ジョホール州)など特定エリアで適用され、不動産購入と連動している。

一般的に語られるのは「標準」カテゴリだが、条件の確認は申請時点の公式情報(マレーシア観光芸術文化省)で最新情報を必ず参照すること。条件は再度変更される可能性もある。

申請プロセス——エージェント利用が現実的

MM2H申請は基本的に認定エージェントを通じて行う。必要書類は多岐にわたり、健康診断・身元保証・財務証明など10〜20種類の書類を揃える必要がある。

エージェント費用は MYR 5,000〜15,000(約16万〜48万円)程度。取得後の年次更新手続きもエージェントに依頼するケースが多い。

「使えるビザ」に戻ったか

率直に言うと、2024年改訂でアクセスしやすくなったのは月収要件の部分だけ。資産要件の高さは変わっておらず、以前のような「一般的な定年退職者向け移住ビザ」という位置づけには戻っていない。

資産的にMM2Hの条件を満たせる場合、マレーシアの生活コストの安さ・医療水準・インフラを考えると、依然として魅力的な選択肢だ。ただし「老後の移住先として手軽に選べる」という感覚は、もう正確ではない。

申請を検討するなら、現在の自分の財務状況と照らし合わせた上で、エージェントに相談することから始めるといい。

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