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経済・産業

パーム油大国マレーシア——食用油から燃料まで支配する産業構造

マレーシアはなぜパーム油の世界第2位の産地になったのか。産業の歴史・輸出規模・環境問題への対応まで数字で解説。

2026-04-12
パーム油農業輸出サバ州産業構造

この記事の日本円換算は、1MYR≒33円で計算しています(2026年4月時点)。

マレーシアで飛行機の窓から見下ろすと、緑の絨毯のように広がる畑が目に入る。あれはすべてアブラヤシのプランテーションだ。その面積はマレーシア全国土の約14%(約590万ヘクタール)。日本の農地総面積(約430万ヘクタール)より広い。

パーム油の世界シェア

世界のパーム油生産量のうち、マレーシアとインドネシアで合計約85〜90%を占める。

生産量(2022年推計)世界シェア
インドネシア約5,900万トン約59%
マレーシア約1,900万トン約19%
タイ約330万トン約3.3%

出典: FAO(国連食糧農業機関)、2022年データ

マレーシアのパーム油輸出額は年間RM600億〜700億(約2兆円)規模。GDPの約3〜4%を占める主力輸出品目のひとつだ。

パーム油が使われる場所

スーパーで売られている食品の約半数にパーム油が使用されているとされる(各国の調査機関推計)。マーガリン・チョコレート・インスタントラーメン・石鹸・化粧品・バイオディーゼル燃料まで用途は広い。

マレーシアがEU向けに輸出するパーム油の一部はバイオ燃料として使われており、ここに環境問題の論点がある。

熱帯雨林問題と国際的な圧力

EUは2023年、熱帯雨林の破壊に関連する農産品の輸入を規制する「EU森林破壊規制(EUDR)」を採択した。パーム油はその主要対象のひとつで、マレーシアは強く反発している。

マレーシア政府は「MSPO(Malaysian Sustainable Palm Oil)」認証制度を整備し、持続可能なパーム油生産の普及に取り組んでいる。ただし、認証取得が進んでいない中小農家(スモールホルダー)も多く、課題は残る。

サバ州・サラワク州の役割

マレーシアのアブラヤシ農園の多くはボルネオ島(マレーシア領のサバ州・サラワク州)に集中している。半島側(マレー半島)でもジョホール州・パハン州等で広大なプランテーションが展開されている。

KLに住んでいると意識しにくいが、マレーシアの輸出経済を支える最大の「農業産業」はパーム油だ。KLCC周辺の高層ビル群と東マレーシアの広大なアブラヤシ農園は、同じ国家経済の両輪として動いている。

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