KLじゃなくてPJに住む——ペタリンジャヤという選択肢を在住者が選ぶ理由
クアラルンプールの隣に広がるペタリンジャヤ(PJ)は、KL市内より家賃が安く、生活の便もいい。在住日本人がKLより「PJ派」になる理由と、エリアの特徴を解説する。
この記事の日本円換算は、1MYR≒33円で計算しています(2026年4月時点)。為替は変動するので、現地通貨の金額を基準にしてください。
「KLに住む」とマレーシア赴任を告げると周りに言うが、実際に住んでみると「KLと隣のPJ、どっちに住むか」という選択が現れる。
これが意外と重要な決断で、数年暮らした在住者に聞くと「PJにしてよかった」という声が多い。KLのほうがいいという人もいるが、理由が明確に分かれる。
PJとはどういう場所か
ペタリンジャヤ(Petaling Jaya、通称PJ)は、クアラルンプール市内の南西に隣接するスランゴール州の都市だ。KLのシティセンター(KLCC)からMRTで30〜40分、車で状況次第だが20〜50分圏内。
もともとは1950〜60年代にKLの過密緩和のために計画された衛星都市で、今は独自の商業・居住・文化を持つ都市になっている。人口は約60万人(2020年センサス)。
KLと比べた特徴:
- コンドミニアム家賃がKLより10〜20%程度安い傾向
- 低層・中層の住宅エリアが多く、ゆとりがある
- 国際学校が多い(日本人学校はKLにあるが、インターナショナルスクールはPJ周辺に集まっている)
- ショッピングモール・スーパーが充実(SS2、Taman Jaya、Damansara等)
エリア内でも差がある
PJは大きく「旧PJ(Old Town)」と「新エリア」に分かれ、さらにSS(Section)番号ごとに性格が違う。
SS2エリア: 華人系の商店街と食堂が集まるローカル色の強いエリア。家賃はPJ内で最安値クラス。マレーシア在住の長い日本人が好む「地元感」がある。
Damansara Utama(TTDI): ミドルクラスの居住エリアで、カフェ・レストラン・子育て環境が整っている。家賃はPJ内では高め。
Ara Damansara / Mutiara Damansara: 比較的新しい開発エリア。Ikanoやパビリオンダマンサラ等の大型モールに近い。外国人家庭も多い。
1 Utama周辺(Bandar Utama): マレーシア最大級のモール1 Utamaを中心に栄えている。SPRINT高速道路やMRT Kajang線へのアクセスも良い。
日本人家庭に向いているのはどのエリアか
在住日本人の子育て世帯は、インターナショナルスクールへのアクセスと治安を重視する傾向がある。
その観点では、Bangsar South・TTDI・Damansara Utama・Mutiara Damansara周辺が候補に挙がりやすい。いずれも2〜3LDKのコンドミニアムが3,000〜5,000MYR(約99,000〜165,000円)/月の範囲で見つかることが多い(2025〜2026年時点。物件によって変動あり)。
単身・DINKS世帯であれば、SS2や旧PJエリアで1〜2LDKを1,500〜2,500MYR(約50,000〜83,000円)/月程度で探せる。KLのモントキアラやBangsarとの価格差は感じられる。
PJに住む実際の不便
公共交通網はMRT Kajang線とLRT Kelana Jaya線が走っているが、日本の感覚でいう「歩いて駅まで行って、乗り継ぎ一回で職場」という動線は多くない。郊外型のエリアはやはり車があったほうが生活しやすい。
渋滞はKLと同様に発生する。特にSPRINTやLDP(Damansara-Puchong Expressway)の朝夕は詰まる。車を持つなら、行動圏内の道路事情を事前に確認することを勧める。
KLに住むかPJに住むかは、最終的には職場の場所と生活スタイルによる。KLCC界隈に勤務先がある場合はKLのほうが通勤時間を短くしやすいが、会社がPJ側にある場合はPJ在住のほうが明らかに楽だ。
どちらを選んでも、ショッピング・食事・医療の水準はKL都市圏として大きくは変わらない。