マレーシアの交通事故対応と保険の仕組み
マレーシアで交通事故に遭ったとき、何をすべきか。保険の種類、事故後の手続き、外国人が陥りやすいトラブルと対処法をまとめました。
この記事の日本円換算は、1MYR≒32円で計算しています(2026年4月時点)。
クアラルンプールのハイウェイで軽い追突をされた。相手はマレー系の男性で、「大丈夫、大丈夫」と言いながら何も書かずに立ち去ろうとした。こういう場面で、何も準備していないと言いなりになるしかなくなる。
マレーシアの自動車保険の種類
マレーシアで車を所有する場合、自動車保険(Insuran Motor)は法定加入義務がある。主に3種類に分かれる。
Act/Third Party(TPO):最低限の法定保険。相手への賠償はカバーするが、自分の車の損害や自分のけがはカバーしない。
Third Party, Fire and Theft(TPFT):TPOに加えて、自分の車の火災・盗難をカバー。
Comprehensive(総合保険):自分の車の損害、対人・対物賠償、自分のけが(オプション追加で)をカバー。外国人・駐在員が選ぶべき最低ラインはこれだ。
保険料は車の市場価格(Agreed Value または Market Value)、排気量、運転者の年齢・性別によって変わる。年額で2,000〜4,000MYR(約64,000〜128,000円)が目安。
事故直後にやること
Step 1: 安全な場所に移動し、写真を撮る 事故現場の状況、車のナンバー、損傷状況をスマホで記録する。これが後の保険請求の証拠になる。
Step 2: 警察への届け出(999またはBalai Polisへ) 軽微な物損事故でも、保険請求に「Police Report」が必要になるケースが多い。事故から24時間以内に最寄りの警察署へ。
Step 3: 保険会社に連絡 保険会社の承認なしに修理を始めると、費用が保険でカバーされない場合がある。事故後は保険会社の指定修理工場(Panel Workshop)の使用が推奨される。
外国人が陥りやすいパターン
示談を求められる:相手が「警察に行かず、現金で解決しよう」と持ちかけるケースがある。軽い接触であっても、後から相手がケガを主張してくることがあるため、基本的に示談には応じない方がいい。
無保険・期限切れ保険の相手:マレーシアには無保険で走っている車も一定数存在する。相手の保険証書を確認し、警察に届け出ることで自分を守れる。
MM2Hビザ・外国人の場合:国際免許証でも一定期間運転は可能だが、保険の「named driver」(記名被保険者)に名前が入っているか確認が必要。他人の車を借りる場合はその車の保険が「any driver」をカバーしているか事前に確認する。
交通事故は起きないのが一番だが、クアラルンプール市内の交通密度を考えると、長期在住者なら一度は何らかのアクシデントに遭遇する可能性が高い。保険証書の場所と保険会社の電話番号は、車に乗る前に確認しておきたい。