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税金・給与

30%ルール——外国人高技術者の税制優遇と2024年以降の変更

オランダの「30%ルール」は外国人高技術者に対する税制優遇制度。給与の30%を非課税にできる仕組みと、2024〜2027年の段階的縮小の内容を解説。

2026-04-07
30%ルール税制優遇外国人高技術者オランダ就労

この記事の日本円換算は、1EUR≒160円で計算しています(2026年4月時点)。

オランダで働く外国人エンジニアや専門職が享受できる「30%ルール(30%-regeling)」は、欧州でも注目度の高い税制優遇制度だ。ただし2024年から段階的に縮小が始まっており、今後の扱いは従来と変わりつつある。

30%ルールとは何か

30%ルールは、オランダに招聘された外国人高技術者に対して、給与の30%を非課税手当として扱える制度だ。オランダの所得税率は上位所得に対して49.5%にのぼるため、この優遇は手取りに大きな影響を与える。

例えば年収80,000EUR(1,280万円)の場合、通常であれば課税所得が80,000EURになるが、30%ルール適用後は課税所得が56,000EUR(80,000 × 0.7)になる。残りの24,000EURは非課税の「異動手当(extraterritorial costs)」として扱われる。

適用条件

主な適用条件は以下のとおりだ。

  • オランダ国外(EU域外または最低150km離れた地域)に過去24ヶ月のうち16ヶ月以上居住していたこと
  • 特定の専門知識・スキルを持つと認められること(現在の年収要件: 2025年時点で46,107EUR以上)
  • 雇用主がオランダの税務当局に申請・承認を得ること

承認されると5年間有効だ。ただし転職した場合は新たな雇用主のもとで再申請が必要になる。

2024〜2027年の段階的縮小

2024年1月から30%ルールの縮小が開始された。従来は給与の30%全体に対して適用されていたが、段階的に縮小される予定になっている。

2024年: 最初の20ヶ月は30%、次の20ヶ月は20%、残りの20ヶ月は10%という3段階制へ移行(既存の適用者には経過措置がある)。

2027年以降: さらなる変更の可能性がある。最新情報は税務当局(Belastingdienst)の公式サイトで確認することを推奨する。

実際の申請フロー

雇用主(または雇用主を通じて)がBelastingdienstに申請する。個人で申請するものではなく、会社の給与担当・税務顧問が手続きを担うことが多い。

国際的なテック企業・コンサル・金融機関のオランダ拠点では、採用時に「30%ルールの申請サポートをする」と明示しているケースが多い。

日本人が対象になるか

日本国籍でオランダに転職・赴任する場合も条件を満たせば対象になる。日本の居住地からオランダへの移住であれば「150km以上離れた場所からの転入」という条件は容易に満たす。

スキル要件(年収ハードル)が設けられているため、エンジニア・アナリスト・コンサルタント・研究職など専門職であれば該当しやすい。

30%ルールはオランダで働く動機として実質的に大きいが、縮小が進んでいることも事実だ。転職・赴任の検討時には最新の条件を税務専門家に確認することが安全だ。

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