アムステルダムの住宅危機——欧州でも有数の家賃高騰と外国人の住まい探し
アムステルダムの家賃は欧州最高水準。外国人が直面する住宅市場の現実と、競争率の高い賃貸市場で部屋を確保するための実践的な方法を解説。
この記事の日本円換算は、1EUR≒160円で計算しています(2026年4月時点)。
アムステルダムの住宅市場は、欧州でも特に厳しい部類に入る。1LDKの家賃が月1,800〜2,500EUR(28〜40万円)というのが現実で、外国人向けの賃貸サイトに掲載されると数時間で埋まることも珍しくない。
家賃の実態
アムステルダム市内(センター・ヨルダーン・デ・ピップ地区)の1LDKは、月1,800〜2,500EUR(28〜40万円)が相場だ。2LDKになると2,500〜3,500EUR(40〜56万円)に達する。
少し郊外のアムステルダム東(Oost)やザーンダム、アルメレに出ると1,400〜1,800EUR(22〜28万円)まで下がるが、それでも東京の都心並みかそれ以上だ。
2024年以降、オランダ政府は家賃規制(Mid-Rent規制)を一部拡大し、月808EUR以下の住戸は社会住宅と同様の価格規制が適用されるようになった。ただし、外国人駐在員や高所得者が借りる物件の多くは規制外の自由市場賃料に該当する。
競争率が高い理由
アムステルダムの住宅不足は構造的な問題だ。市の面積が小さく、新規建設が進みにくい。同時に国際的な企業が集積し、海外からの移住者が増え続けている。
人気物件には応募から24〜48時間で十数人が申し込むことがある。家主側は収入証明・雇用契約書・直近3ヶ月の給与明細を求めるのが標準だ。フリーランスや自営業者はさらに審査が厳しくなる。
外国人が使えるプラットフォーム
賃貸物件を探す主な手段として、Pararius(英語対応・外国人利用者が多い)、Funda(オランダ最大の不動産サイト)、Kamernet(シェアハウス・ルーム探しに特化)などがある。
企業を通じた赴任の場合、リロケーション会社が物件探しをサポートするケースが多い。個人で動く場合は、複数のプラットフォームに登録してアラートを設定し、投稿直後に連絡できる体制を整えることが現実的な対策だ。
社会住宅との二層構造
オランダには充実した社会住宅(Sociale Huurwoning)制度がある。収入要件を満たせば月500〜800EURで借りられるが、外国人は原則として入居待ちリストの後ろに並ぶことになり、アムステルダムでは平均10〜15年待ちという状況だ。
新規移住者にとって社会住宅は事実上の選択肢外になる。自由市場での賃貸か、企業提供住宅を利用するかが現実的なルートだ。
住宅費を抑える選択肢
アムステルダムにこだわらない場合、ライデン・ハーレム・ユトレヒトなど近隣都市も通勤圏内だ。電車で30〜40分の都市なら家賃を月300〜500EUR抑えられることがある。
シェアハウス(kamerverhuur)も選択肢のひとつで、一部屋あたり700〜1,100EUR(11〜18万円)程度。外国人の多い職場では「会社の同僚とシェアハウス」というパターンも多い。
住居探しは渡航前から始めることが基本で、現地到着後に探し始めると短期賃貸(割高)でつなぐ期間が長くなる。早めに動くほど選択肢が広がる。