チーズ文化——ゴーダ・エダムの産地と在住者のチーズ消費
オランダはゴーダ・エダムに代表されるチーズ大国。チーズ市場の仕組み、在住者の日常的なチーズ消費と購入方法、産地訪問の楽しみ方を解説。
この記事の日本円換算は、1EUR≒160円で計算しています(2026年4月時点)。
オランダ人の年間チーズ消費量は一人あたり約20kgとされており、欧州でも上位に位置する。スーパーのチーズコーナーは日本のそれとは規模が違い、熟成期間・種類・農家ブランドで棚が何列も続く。「チーズを毎日食べる」文化がある国だ。
ゴーダとエダムの違い
ゴーダ(Gouda)は南ホラント州ゴーダ市の名を持つセミハードチーズだ。牛乳をベースにした丸い形が特徴で、熟成期間によって風味が大きく変わる。
- Jong(若い): 熟成4〜8週間。マイルドでクリーミー
- Belegen(成熟): 熟成16〜24週間。塩味が増し複雑な風味に
- Extra Belegen: 熟成8〜12ヶ月。より濃厚で塩辛い
- Oud(老熟): 熟成1年以上。結晶が出てきてパルミジャーノ的な風味
エダム(Edam)は北ホラント州エダム市のチーズで、赤いワックスコーティングが特徴だ。ゴーダより脂肪分が低く、輸出用に特に赤いコーティングが施されているが、国内では黄色いコーティングが一般的だ。
スーパーでの購入
オランダのスーパー(Albert Heijn・Jumbo・Lidl等)では多様なチーズが販売されている。Jongゴーダは1kgあたり7〜12EUR(1,120〜1,920円)程度で、毎日食べるには手頃な価格帯だ。
スーパーではカウンターでの対面販売もあり、好みの厚さにスライスしてもらうか、ブロックで買うかを選べる。「どのくらい熟成のものがいいか」を聞くと店員がアドバイスしてくれる。
チーズ市場(Kaasmarkt)
ゴーダ市では毎週木曜日(4〜8月)に伝統的なチーズ市場(Kaasmarkt)が開かれる。白い制服の「チーズ運び人(Kaasdrager)」が専用のハンモック型の運搬具でチーズの車輪を運ぶ光景が見られる。
現在は観光客向けのパフォーマンスとしての側面が強いが、実際のチーズの取引・販売も行われている。アムステルダムから電車で1時間程度でアクセスできる。
農家直売(Boerderijwinkel)
オランダの農村部には「Boerderijwinkel(農場ショップ)」が点在しており、農家製造のチーズを直接購入できる。工業製品のスーパーのチーズとは異なる「アンバホーリュク(ambachtelijk、職人的)」なチーズが手に入る。
サイクリングがてら農場ショップに立ち寄るのは在住者が週末に楽しむ選択肢のひとつだ。
在住者のチーズとの付き合い方
在住して最初の数ヶ月で「昼のサンドイッチはゴーダ一択になった」という在住日本人は多い。スライスチーズをパンに乗せるだけの昼食が、気づくと毎日のデフォルトになっている。
チーズとオランダビール(Grolsch・Heineken等)の組み合わせも定番で、在宅での夕食前のつまみとして自然に根付いていく。「チーズの多様さに目覚めた」という体験をする在住者は少なくない。