オランダの市民農園(Volkstuinen):都市住民の土との関わり方
アムステルダム市内に点在する市民農園「Volkstuinen」は、数年待ちの人気施設。都市に住みながら農作物を育てるオランダ人の生活文化を紹介する。
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アムステルダム郊外を自転車で走ると、整然と区画された小さな農園が並ぶエリアに出くわす。各区画には小さな小屋があり、週末になると人々が集まって野菜を育てたり、椅子を出してビールを飲んだりしている。これがVolkstuinen(フォルクスタイネン)、オランダの市民農園だ。
歴史と制度
市民農園の歴史はオランダでは100年以上にわたる。19世紀末から20世紀初頭の都市化によって土地から切り離された労働者階級が、自給用の農地を求めたことが始まりとされている。現在はアムステルダムだけで数十カ所の市民農園が運営されており、待機リストに名前を連ねる市民が絶えない。
区画の賃料は年間数百EURが相場(運営団体によって異なる)。区画の大きさは50〜200平方メートル程度で、野菜・果物・花を自由に育てられる。
在住外国人と市民農園
外国人も申込可能な農園が多いが、英語対応していない団体もある。待機期間は人気エリアで数年かかることも珍しくない。申込は各農園の組合に直接連絡する形が一般的だ。
農園内には独特のコミュニティがあり、隣の区画の住人と顔見知りになることも多い。これはオランダの都市生活では貴重な経験で、「普段はアジェンダ(約束)なしでは誰とも会わない」という在住者が「農園に来ると自然に話しかけられる」と言うケースは多い。
週末の過ごし方として
市民農園の区画を持っていなくても、敷地内のカフェを利用できる農園もある。夏の土曜日、農園のカフェでコーヒーを飲みながら周囲の緑を眺める——都市のど真ん中とは思えない時間が流れている。