オランダのゴミ分別:細かすぎるルールと「環境意識の高さ」の実態
オランダのゴミ分別は地域によってルールが異なり、日本より複雑な場合もある。プラスチック、有機ゴミ、ガラスの分類方法と、実際に在住者が戸惑う場面を紹介する。
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アムステルダムのアパートに引っ越して最初の難問の一つがゴミ出しだ。建物に大きな地下格納式ゴミ箱(ondergrondse container)があるが、どれに何を入れるかが分かりにくい。しかも地区によってルールが違う。
分別の種類
標準的な分別カテゴリは以下のとおりだ(地域差あり)。
- Restafval(残余ゴミ): 分別できない一般ゴミ
- GFT(有機ゴミ): 野菜くず、果物の皮など
- PMD(プラスチック・金属・飲料パック): ペットボトル、缶、テトラパック
- Papier(紙・段ボール): 新聞、段ボール
- Glas(ガラス): ビン類(色別分別あり)
- Textiel(布): 古着
日本と異なる点は、PMDが「プラスチック+金属+飲料パック」を一緒に入れるカテゴリとして設定されている点だ。後で機械選別するため、この三種類を一袋に入れてよい。
地域差が大きい
オランダの廃棄物管理は市(gemeente)が管理する。アムステルダム市内でも区(stadsdeel)によってルールが異なることがある。引っ越した際はまず市のウェブサイトで該当地区のゴミ収集カレンダーと分別ルールを確認する必要がある。
アムステルダムでは地下格納式コンテナが普及しているが、地方都市ではゴミ袋を指定曜日に路上に出す方式のところもある。
デポジット制のペットボトル
オランダでは0.5リットル以上のペットボトルに15セント(約24円)のデポジットが含まれている(出典:オランダ政府RVO 2023年デポジット制度拡大施行)。スーパーにある返却機(statiegeldbak)にボトルを入れると自動的に返金される。小型ボトル(250ml等)のデポジットは2023年から導入された(10セント)。
この制度によってペットボトルの回収率は非常に高い。路上に落ちているペットボトルを拾って換金する人もいる(推定)。
環境意識の「本音と建前」
「環境大国オランダ」という印象があるが、実態はより複雑だ。オランダは自動車保有率が高く、ロッテルダム港からの欧州向け石油・化学品輸送も大規模だ。1人あたりのCO2排出量も、欧州内では特段低いわけではない(出典:Eurostat)。
ゴミ分別や自転車文化は本物の行動変容だが、産業構造レベルの環境問題とは別の次元だ。「分別している」という個人の達成感と、社会全体の環境負荷の間には大きなギャップがある。
在住日本人は日本よりオランダのゴミ分別が「ゆるい」と感じることも多い(日本の方が細かい)が、PMDやGFTの廃棄物組成別処理は日本とは別の合理性を持っている。どちらが「環境的」かは一概に言えない。