ストロープワッフェルと生ニシン:オランダのストリートフード文学
コーヒーカップの上に置いて温めるストロープワッフェル、頭を傾けて丸飲みする生ニシン。オランダのファストフードはその食べ方まで文化になっている。代表的な食とその背景を紹介する。
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アムステルダムの駅のキオスクで、ビジネスマンが紙カップのコーヒーを買い、その上にストロープワッフェル(stroopwafel)を一枚置く。数分後、ワッフルの間のシロップが蒸気でほどよく溶けたところで食べる。
これは偶然の習慣ではない。温めて食べることを前提にデザインされたお菓子だ。
ストロープワッフェルの歴史
ストロープワッフェルはゴーダ市発祥とされる。19世紀初頭、パン職人のヘラルト・ブレアールがワッフルを二枚重ねてシロップ(ストロープ)で貼り合わせた、という説が有力だ(出典:ゴーダ市観光局)。
当初は貧しい庶民向けに、余った食材を使って作られた食べ物だったとされる。それが現在、世界中のIKEAでも売られ、KLMのビジネスクラス機内食にも登場するオランダの国民的スナックになった。
ハーリング(生ニシン)の季節
5〜6月は「ニーウーウェ・ハーリング(nieuwe haring、新ニシン)」の季節だ。冬を越えた最初のニシンが水揚げされると、それを生で食べる祭り的な習慣がある。
ハーリングの正式な食べ方は、小さく切って刻みタマネギと一緒に食べるか、頭側をつまんで垂直に持ち、あとは口に入れていくだけ。後者は「ダッチスタイル」と呼ばれ、観光客が試みてむせるシーンが定番になっている(推定)。
漁港のあるスヘフェニンゲン(スハーフェニンゲン)から東京で言えば「築地のマグロ競り」に近い熱量で、新ニシン初日が報道される。
フリカンデル:謎の肉のソーセージ
スーパーや屋台で売られるフリカンデル(frikandel)は、細長い揚げソーセージだ。肉の種類は「鶏、豚、牛のミックス」とされるが、具体的な配合は製品によって異なる。
マヨネーズ(マイヨ)、カレー、ケチャップをかけた「フリカンデル・スペシャル(frikandel speciaal)」が最もポピュラーな食べ方で、ファストフード店「スナックバー(snackbar)」の定番だ。
健康食とはほど遠いが、「これがオランダのソウルフードだ」という位置付けで、在住外国人も一度は食べる経験をする。
パタット(フライドポテト)の聖地
オランダのフライドポテト(patat)は日本のものより太く、マヨネーズをたっぷりかけて食べる。マヨ、ケチャップ、カレーソースの3種を全部かけた「パタット・スペシャル(patat speciaal)」は最もオランダらしい食べ物の一つだ。
アムステルダム中央駅近くのヴラーミンゲン(Vlaaming)系のパタット専門店は地元民に支持されており、観光客との行列が共存している。
食べ物の食べ方まで文化になっている——ストロープワッフェルをコーヒーカップで温める習慣は、その小さな証明だ。