アルバート・ハインという「生活インフラ」:オランダのスーパー事情
オランダで最も多くの人が毎日足を運ぶ場所の一つがスーパーだ。アルバート・ハインを中心とした小売構造と、オランダ人の食生活の実態を紹介する。
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オランダのスーパーマーケット事情は、日本人の目から見ると「なんと地味な」という印象から始まることが多い。品数が少ない、売り場が狭い、総菜が乏しい。しかしそれはオランダの食文化を映した鏡だ。
アルバート・ハインの圧倒的存在感
アルバート・ハイン(Albert Heijn、通称AH)はオランダ国内で約1,000店舗以上を展開する最大手スーパーだ(推定)。アムステルダム市内では徒歩10分以内に1店舗は必ずあると言っても過言ではなく、生活インフラとして機能している。
AHの特徴は「アプリ割引」の活用だ。ボーナスカード(Bonuskaart)をアプリに登録すると、週替わりで20〜50%オフになる商品が出る。在住者の多くはアプリを見てから買い物する習慣がある。
ディスカウント勢との競争
AHより安い選択肢として、リドル(Lidl)とアルディ(Aldi)がある。ドイツ系のこれらはオランダでも存在感が強く、特に若者や低〜中所得層に支持される。品揃えは絞られるが、基本的な食料品は十分そろう。
コープ(Jumbo)もAHに次ぐシェアを持ち、広い店舗でゆったり買い物できる点が特徴だ。
閉店時間の早さ
日本のコンビニ感覚でスーパーに行こうとすると、オランダでは痛い目に遭う。多くの店舗は平日21時、日曜は20時前後に閉まる。大型店でも22時を超えて営業している例は少ない(推定)。
日曜閉店や早期閉店については変化も起きており、都市部では徐々に営業時間が延びているが、日本のような24時間営業スーパーはほぼ存在しない。
総菜コーナーの「薄さ」
日本のスーパーには総菜コーナーが充実しているが、オランダのスーパーは基本的に素材を売る場所だ。サンドイッチ用の食材(ハム、チーズ、レタス)は豊富だが、弁当や惣菜の品数は圧倒的に少ない。
代わりに「食べる準備ができた料理」を提供するのは、スーパー内のデリカウンターや、テイクアウト専門店だ。
日本食材の入手事情
オランダ、特にアムステルダムには日本食材の入手経路がある。東洋食品スーパーのTokoBoodschappen(トコブードスハッペン)系列や、チャイニーズスーパーのToko Aiko等が醤油、みそ、のり、豆腐を扱う。日本米はAHでも扱っているが、産地・品種は限られる。
アムステルダム中央駅近くのアムステルフェーン(Amstelveen)は日本人コミュニティが多く、日本食材専門店も複数ある。都市部からの距離とコストを天秤にかけながら、「どこで何を買うか」の個人的な最適解を作るのが、オランダ在住日本人の日課になる。
食生活の「日蘭ギャップ」は意外と大きい。でも慣れれば、シンプルな素材を自分で組み合わせる食生活も悪くない、という声も多い。