オランダのかかりつけ医(huisarts)予約・受診ガイド|登録から診察の流れ
オランダで病院にかかるにはまずhuisarts(家庭医)への登録が必要。登録方法、予約の取り方、診察当日の流れ、専門医への紹介の仕組みまで、実践的に解説します。
この記事の日本円換算は、1EUR≒160円で計算しています(2026年4月時点)。為替は変動するので、現地通貨(EUR)の金額を基準にしてください。
オランダでは、体調が悪くても病院に直接行けない。すべての医療はhuisarts(家庭医)を経由する。風邪でも骨折でも、最初の窓口はhuisarts。この「ゲートキーパー制度」を理解しないと、オランダの医療で途方に暮れることになる。
huisartsへの登録
引っ越したら、まず近くのhuisartsに登録する。健康保険(basisverzekering)の加入が前提。
登録手順は以下の通り。
- 自宅近くのhuisartsを探す(zorgkaartnederland.nlで検索できる)
- 電話またはウェブサイトから登録を申し込む
- BSN番号、保険証番号、身分証明書を提出
- 登録完了の通知を受け取る
注意点として、人気のあるhuisartsは新規患者の受け入れを停止していることが多い。特にアムステルダムでは複数のクリニックに問い合わせが必要になるケースがある。登録は引っ越し直後に動き始めること。
予約の取り方
診察を受けたいときは、まずクリニックに電話する。多くのクリニックでは朝8時からの電話予約が基本。オンライン予約に対応しているクリニックも増えている。
電話すると、まず助手(doktersassistent)が症状を聞いてくる。ここで振り分けが行われる。
- 電話相談で完結: 軽い症状ならその場でアドバイスだけで終わることもある
- 当日予約: 10分枠の診察が割り当てられる
- 緊急: すぐ来るよう指示される
「日本だったら病院に行くレベル」の症状でも、電話相談で終わることは珍しくない。オランダの医療はパラセタモール(アセトアミノフェン)と休養で多くを解決しようとする文化がある。
診察当日
診察時間は通常10分。短い。聞きたいことは事前にメモしておくのが現実的。
保険でカバーされる範囲内なら、huisartsの診察に自己負担はない。ただし、保険の年間免責額(eigen risico、2025年時点で€385=約61,600円)の範囲で一部の検査・治療に自己負担が発生する。
専門医への紹介(verwijzing)
huisartsが必要と判断した場合のみ、専門医(specialist)への紹介状が出る。紹介なしに専門医を受診することは原則できない。
紹介後の専門医の待ち時間は、診療科によって数週間〜数ヶ月。整形外科や皮膚科は特に長い。急を要する場合はhuisartsがその旨を紹介状に記載してくれるので、遠慮せず伝えること。
夜間・休日の対応
夜間や休日に急な症状が出た場合は、huisartsenpost(夜間・休日診療所)に電話する。地域ごとに設置されていて、電話番号はhuisartsのクリニックに掲示されている。
本当の緊急事態は112(救急)に電話。ただし、オランダでは救急車を呼ぶハードルが日本より高い。判断に迷ったらまずhuisartsenpostに相談するのが通常の流れ。
オランダの医療制度は慣れるまでフラストレーションが溜まる。だが、huisartsとの関係が安定すると、予防医療や慢性疾患の管理は手厚い。最初の登録を後回しにしないことが、すべての出発点になる。