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医療・保険

家庭医(Huisarts)システム——専門医に行く前に必ず通る関門

オランダの医療制度では、専門医への受診は家庭医(Huisarts)からの紹介が原則。健康保険への加入方法、家庭医の探し方、受診の流れを在住者向けに解説。

2026-04-06
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この記事の日本円換算は、1EUR≒160円で計算しています(2026年4月時点)。

オランダの医療制度で最初に知るべきことは「専門医に直接行けない」という仕組みだ。体の不調があれば、まずHuisarts(ホイサルツ、家庭医・かかりつけ医)を受診し、そこで判断されてから専門医に紹介される。救急でない限り、この流れが基本だ。

オランダの健康保険制度

オランダに住む全員(外国人を含む)が民間健康保険(Zorgverzekering)への加入義務を負う。基本保険(basisverzekering)の保険料は月130〜160EUR(20,800〜25,600円)程度が相場だ(保険会社によって差がある)。

加入は渡航後4ヶ月以内が目安とされているが、オランダへの住民登録日から遡って加入となるため、できるだけ早く手続きするのが標準だ。Zilveren Kruis・Menzis・VGZ・CZなど複数の保険会社があり、カバー範囲と価格を比較して選ぶことができる。

自己負担(eigen risico)は年間385EUR(2024年時点)が標準で、まずこの額を自己負担してから保険が適用されるしくみだ。

Huisartsの探し方と登録

家庭医は居住地近くで探し、「患者として登録(inschrijven)」する必要がある。診察を受ける前に登録が済んでいることが前提だ。

探し方として、保険会社のウェブサイトから「自分のエリアのHuisartsを検索」→「新患を受け入れているか確認」→「連絡して登録」というのが標準的な流れだ。アムステルダム市内では患者数が多く、新患を受け入れていない医院も多い。見つからない場合は住居エリアを少し広げて探すか、市の医療相談窓口に問い合わせる。

受診の流れ

体調不良・怪我などで受診したい場合は、まず電話またはオンラインでHuisartsにアポイントを入れる。当日や翌日の予約が取れることも多い。

急を要する場合は「triageiste(トリアージスト)」と呼ばれる電話窓口がある。症状を説明すると、優先度を判断して予約時間を調整してもらえる。

「このくらいの症状で行っていいのか」と思うような軽い症状でも、遠慮せず連絡するのが正解だ。日本のように「とりあえず内科に行く」という感覚は使いにくい環境だが、家庭医は最初の相談先として機能する。

専門医への紹介

Huisartsが「専門医の診察が必要」と判断すると、紹介状(verwijzing)が発行される。これがないと保険適用での専門医受診ができない。

紹介状なしで専門医に行くことも不可能ではないが、保険が効かず自費診療になる。緊急の場合を除いて、Huisarts経由がコスト面でも適切だ。

旅行者・短期滞在者の注意

旅行者や短期滞在者で健康保険未加入の場合は、受診時に全額自費になる。海外旅行保険(日本からの渡航者向け)が適用される場合もあるが、事前に適用範囲を確認しておくことが重要だ。

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