オランダのHSMビザ(高技能移住者ビザ)——申請条件と手続きの流れ
オランダの高技能移住者ビザ(Highly Skilled Migrant)の取得条件・給与要件・申請手続きを解説。スポンサー企業の役割と、家族帯同・永住権への道筋も紹介します。
この記事の日本円換算は、1EUR≒160円で計算しています(2026年4月時点)。為替は変動するので、現地通貨(EUR)の金額を基準にしてください。
オランダで就労する外国人の多くが利用するのが「Highly Skilled Migrant(HSM)」ビザ、オランダ語でKennismigrant(知識移住者)ビザだ。企業スポンサーが必要だが、労働市場テスト(日本の就労ビザのような「日本人では補えない職種か」の審査)が免除される点が大きなメリットになる。
基本的な取得要件
HSMビザの主な条件は以下のとおりだ(2026年時点):
給与要件(月額総支給額):
- 30歳以上:月額5,688EUR以上(税込、2025年以降に改定あり)
- 30歳未満:月額4,171EUR以上
- 卒業後1年以内のoriëntatieyear(就職活動ビザ)からの切り替えは異なる
その他の条件:
- オランダ国内でINDが認定した「erkend sponsor(認定スポンサー企業)」に雇用されること
- 雇用契約書があること
- パスポートの有効期限が残っていること
スポンサー企業の役割
HSMビザは個人が申請するのではなく、雇用主がINDに申請する。雇用主がerkend sponsorとして登録されていることが前提で、ほとんどの外資系企業・テック企業はすでにerkend sponsorになっている。
中小企業やスタートアップは認定を受けていない場合があるので、採用内定が出た際にスポンサー可否を確認することが重要だ。
申請から取得までの流れ
- 雇用主がINDに申請(オンライン)
- INDが審査(通常2〜4週間)
- 承認後、一時滞在許可(MVV)が発行される(EUビザ不要国の日本人は不要な場合あり)
- オランダ到着後、市役所(Gemeente)でBSN登録
- IND窓口またはGemeenteで滞在許可証(Verblijfsvergunning)を受け取る
到着後の登録が完了するまで就労を開始できない期間があるため、来蘭予定日の余裕を持った設定が必要だ。
家族帯同(nareizen)
HSMビザ取得者の配偶者・18歳未満の子どもは家族帯同ビザで一緒に移住できる。配偶者はオランダ国内での就労も原則として可能だ。
家族帯同の申請も雇用主スポンサーが対応するケースが多いが、配偶者分の手続きは別途必要になる。
永住権への道筋
HSMビザで継続して5年間オランダに合法的に居住すると、永住権(Permanente Verblijfsvergunning)の申請資格が生まれる。この5年間にINT(国家統合試験)の合格、または一定以上のオランダ語能力証明が必要になる。
30%ルーリングの適用期間(最大5年)と永住権申請のタイミングが重なるため、ビザと税制の両面を見通した中長期計画が役に立つ。
公式・最新情報はIND(オランダ移民帰化局)のウェブサイト(ind.nl)で確認することを勧める。要件は定期的に改定されるため、申請前には必ず最新版を参照してほしい。