オランダの年金(AOW)——外国人が受給できる条件と積み立て期間
オランダの国民年金AOW(Algemene Ouderdomswet)は外国人在住者も積み立て対象になる。受給条件、日本との年金通算協定、退職後の生活設計を解説。
この記事の日本円換算は、1EUR≒160円で計算しています(2026年4月時点)。
オランダに就労・居住する外国人は、国民年金「AOW(Algemene Ouderdomswet)」の積み立て対象になる。仕組みを理解しておくと、中長期のキャリアプランと老後の生活設計に影響する。
AOWとは何か
AOWはオランダの国民年金制度で、日本の国民年金に相当する。受給開始年齢は現在67歳(2025年時点)で、将来的にさらに引き上げられる見通しもある。
給付額はオランダに住んでいた・就労していた期間に比例する。オランダで50年間働き住み続けた場合が満額で、単身者で月あたり約1,500EUR(240,000円)程度が標準的な満額給付額だ(社会情勢により変更される)。
積み立ての仕組み
AOWはオランダで就労する全員(外国人を含む)が給与から自動的に保険料を徴収される賦課方式の年金だ。在住期間が積み立て期間として計算される。
AOWは居住年数ベースで積み上がる。例えばオランダに10年住んだ場合は、50年分の20%(10/50)が将来の給付額に反映される計算だ。
日本との年金通算協定
日本とオランダは社会保障協定(年金通算協定)を締結している。この協定により、両国での就労・在住期間を合算して年金の受給資格を確認できる。
具体的には、オランダで就労中に日本の年金制度(厚生年金・国民年金)と二重加入を避けるための「適用証明書」を取得できる。日本で年金を払い続けている場合、オランダでの保険料が免除される場合がある(雇用形態・就労先による)。
詳細は日本年金機構またはオランダのSVB(Sociale Verzekeringsbank)に確認することを推奨する。
企業年金(pensioen)
AOWとは別に、多くのオランダ企業は会社独自の企業年金(pensioen)を提供している。雇用契約に年金プランが含まれているかどうかを確認することが重要だ。
企業年金はオランダの年金基金(Pensioenfonds)で管理されており、転職の際には年金の移管が可能なケースと、蓄積額を凍結して将来受け取る形になるケースがある。
短期在住者への注意
オランダに数年だけ在住する場合、AOWの積み立て期間は短くなる。帰国後に日本の年金で生活する場合、オランダでの積み立て分は補助的な位置づけになる。
AOWの過去の積み立てについては、退職・帰国後もSVBに連絡して記録を保持しておくことが受給権保全の基本だ。67歳到達時に海外在住でも、申請すればオランダの銀行口座への振り込みで受給できる仕組みがある。
オランダで長期就労を考えているなら、年金はキャリア設計の一部として最初から考慮に入れておくことが、後で選択肢を広げることにつながる。