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オランダの食文化——生ニシン・ストロープワッフェルと質素な食事観

オランダの食文化は質素で実用的という特徴がある。生ニシンの食べ方、ストロープワッフェルの楽しみ方、オランダ人の食に対する考え方を在住者目線で紹介。

2026-04-06
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オランダに来て食を楽しもうとすると、少し肩透かしを食うことがある。イタリアやフランスのように「食文化が豊か」というイメージは薄く、オランダ人自身も「うちの料理は地味だ」と認める。ただ、その質素さの中に独自の文化がある。

生ニシン(Haring)は国民食

オランダの食文化を象徴する一品がHaring(ハーリング)、いわゆる生ニシンだ。塩漬けにした生ニシンを、頭を後ろに傾けて口に入れるのが伝統的な食べ方だ。

屋台(haringkar)では玉ねぎのみじん切りとピクルスを乗せたパンに挟む食べ方も一般的で、価格は3〜5EUR(480〜800円)程度だ。5月頃に「ニューヘリング(初物のニシン)」が出回ると話題になる。

最初は抵抗感がある在住者も多いが、慣れると定期的に食べたくなる人が続出する。「オランダに来たら一度は試してほしい」と在住者が言う定番フードだ。

ストロープワッフェル

ゴーダ生まれのストロープワッフェル(Stroopwafel)は、薄いワッフル生地2枚の間にキャラメルシロップを挟んだお菓子だ。コーヒーや紅茶のカップの上に乗せて、蒸気でシロップを温めてから食べるのが正式スタイルとされる。

スーパーで1袋(8〜10枚)2〜3EUR(320〜480円)程度。空港のお土産コーナーでも定番商品になっており、最近はスターバックスなど国際チェーンでも販売されるほどグローバルに知られるようになった。

オランダ人の「食は燃料」観

オランダ人の食事観は概して実用主義だ。食事をかけて長時間を過ごすより、手早く済ませてほかのことをするという優先順位がある。

その代表が昼食だ。サンドイッチ(boterham)1〜2枚がオランダの標準的な昼食で、チーズや薄切りハムを挟んで5〜10分で食べる。「ランチに1時間かけるのはもったいない」という感覚が根底にある。

夕食もジャガイモ・野菜・肉という組み合わせ(stamppot等)が伝統的なスタイルで、18〜19時頃に食べることが多い。ビジネスランチや特別な日でなければ、外食ではなく家で食べる文化が強い。

多様な移民食文化

オランダの食が豊かな部分は、移民文化にある。スリナム料理・インドネシア料理(旧オランダ植民地の影響)、トルコ・モロッコ系のケバブ、中国系料理——多様な外食選択肢が大都市には揃っている。

特にインドネシア料理(rijsttafel)はオランダ独自の進化を遂げており、「インドネシア本国にはない多皿料理スタイル」として現地の名物になっている。

「オランダ料理が地味」という評価は当たっているが、オランダで食を楽しむルートは現地料理以外にも豊富にある。

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