オランダの気候と季節——「なぜこんなに曇っているのか」への答え
日照時間が少なくグレーな空が続くオランダの気候と、四季の特徴を解説。冬の鬱々とした空気・夏の爆発的な明るさ・季節ごとの在住者の過ごし方を紹介します。
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オランダに来て最初の冬を越えた人間が必ず言うことがある。「太陽を見ていない」。
11月から2月にかけて、アムステルダムの日照時間は月に30〜60時間程度(参考値)になることがある。1日に2〜3時間しか太陽が見えない計算だ。しかも雲があれば体感的にはゼロに近い。これが何週間も続く。
オランダの気候の基本
海洋性気候(Cfb)に属する。夏は涼しく(最高気温20〜25度)、冬は寒いが厳寒にはならない(最低気温0〜5度)。雪はたまに降るが積もることは少ない。
問題は「曇りと雨」だ。年間降水日数は150日以上になることがある。「雨が強い」というより「霧雨・小雨がだらだら続く」という表現が近い。傘を差すほどでもないが自転車に乗ると濡れる、という雨の日が多い。
冬のオランダと日照不足
12月〜2月の空はほぼ鉛色だ。日の出が8時30分過ぎ、日の入りが16時30分前後(緯度52度N)。仕事中は暗い中を出勤し、暗い中を帰宅する。
ビタミンD不足はオランダ在住者の定番の健康問題で、サプリメントを摂る人が多い。冬季うつ(Seasonal Affective Disorder)がより深刻な形で出るケースもある。日本から来た場合、最初の冬がもっとも精神的に重くなりやすい。
在住者の対処法:
- 光療法ランプ(daglichttlamp)を使う(1万〜2万円程度)
- 晴れた日は積極的に外に出る
- ジムやスポーツクラブで体を動かす習慣をつくる
春(3〜5月)の「解放感」
3月から空が少しずつ明るくなり、4月になるとテラスにカフェの椅子が並び始める。チューリップが咲き、人々が公園に出始める。冬の後の春はオランダで最も「生きている感じ」がする季節だ。
夏(6〜8月)の爆発的な明るさ
夏の日照時間は長く、夜10時でもまだ明るいことがある。気温は20〜25度で過ごしやすい。アムステルダムの公園(Vondelpark・Oosterpark等)は昼から夜まで人でいっぱいになる。
「オランダの夏は最高」と冬の記憶を忘れたかのように言い始めるのが、在住者の恒例行事だ。
秋(9〜11月)
少しずつ暗くなっていく季節。夏の名残でまだ良い日もある。10月以降、本格的な冬モードに入っていく。
オランダの気候は「冬を生き延びれば夏が待っている」構造だ。この循環に慣れると、晴れた日の価値が日本にいるときの何倍にも感じられるようになる。