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NZは食料自給どころか輸出大国——でも国内の食費はなぜ高いのか

ニュージーランドは乳製品・羊肉・キウイフルーツの輸出大国で、食料自給率は非常に高い。にもかかわらず国内の食費は高い。この矛盾の背景にある輸出優先経済の構造。

2026-06-25
食費農業輸出生活コスト

この記事の日本円換算は、1NZD≒90円で計算しています(2026年5月時点)。為替は変動するので、現地通貨の金額を基準にしてください。

ニュージーランドは農業大国だ。乳製品(バター・チーズ・粉ミルク)、羊肉・牛肉、キウイフルーツ、リンゴ、ワイン——これらはすべて世界的な輸出品で、GDPの農業輸出依存度は高い。食料自給率は計算方法にもよるが、非常に高い国のひとつだ。

「そんなに食料が豊富なのに、なぜスーパーの物価がこんなに高いのか」——NZに移住した人が必ず思う疑問だ。


答えのひとつは「国内価格が輸出価格に引っ張られる」という市場の論理だ。NZのチーズやバターは中国・EU・米国向けに輸出される国際商品であり、その国際価格が国内市場価格の基準になる。「安く作れる」からといって「国内では安く買える」にはならない。

もうひとつは輸送コストだ。NZは南太平洋の孤立した島国で、多くの輸入品(加工食品・調味料・飲料など)は輸送費が価格に上乗せされる。国産品でも流通コストが高い。


スーパーマーケットの寡占(ウールワース系とフードスタッフス系の二大チェーン)も競争不足による価格高止まりの原因として批判されてきた。2022〜2024年に政府がスーパー価格問題を「食料品業界競争調査」として正式に取り上げ、競争促進策の議論が進んでいる。


この矛盾と折り合いをつけながら食費を管理する戦略としてNZ在住者が実践することは複数ある。旬の季節野菜を選ぶ、ファーマーズマーケットや直売所を活用する、アジア系スーパー(価格が大手チェーンより安い品目が多い)を組み合わせる、大容量パックを買って小分け冷凍する——こうした工夫の積み重ねが食費を抑える現実的な手段だ。

「農業大国に住んでいるのに食費が高い」は、NZが輸出経済で成り立っていることの表れでもある。現地産の食材が世界中に出ていく一方で、残った分が高い値段で国内市場に流れる——そういう経済の仕組みの上で生活しているという感覚を持っておくと、食費の計算がしやすくなる。

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