キウィ(NZ人)の国民性——アンチポディアン・自然志向・平等主義の文化
ニュージーランド人(キウィ)の国民性を解説。「背の高いポピーを切る」文化・自然との距離感・平等主義の職場環境など、在住者が実感するNZの社会的特徴。
「Tall Poppy Syndrome(背の高いポピー症候群)」という表現がある。他人より突出することを嫌い、出る杭を引っ込めようとする文化的傾向を指す言葉で、NZとオーストラリアの国民性を説明するときによく使われる。自己アピールが強く出すぎると「あいつは気取っている」と思われる。謙虚さと自己卑下が美徳とされる社会だ。
平等主義の徹底
NZの職場はフラットな階層構造で知られる。上司をファーストネームで呼ぶのが当然で、肩書きより実際の仕事の中身が評価される。「あの人は部長だから」という理由だけで意見が通る職場は少ない。
これは在住日本人にとって最初は戸惑う部分だ。日本的な「上司への報告・相談・連絡の徹底」をそのまま持ち込むと、「なんでそんな些細なことを聞いてくるの?」と思われることがある。逆に、積極的に自分の意見を言わないと「何も考えていない」と受け取られることも多い。
自然との近さ
週末に何をするか聞くと、「ハイキング」「釣り」「サーフィン」「キャンプ」という答えが返ってくる確率が高い。NZ人にとって自然の中に出かけることは娯楽のカテゴリではなく、生活の一部だ。
都市部でも、少し走れば森や海がある環境。「わざわざ自然を楽しみに行く」のではなく「日常的に自然が近くにある」という感覚は、住んでみて初めて体感できる。
朴訥さとユーモア
キウィのコミュニケーションは「真剣に語る」より「軽くジョークを混ぜながら」が基本スタイルだ。話が重くなりそうになると自虐や冗談で緩める。深刻な顔で物事を語ることはあまりない。
これが「真剣に話を聞いてもらっているか不安」に感じる日本人も多い。実際には笑いながら話していても、しっかり聞いている場合がほとんどだ。コミュニケーションのトーンが違うだけで、軽く見ているわけではない。
オーストラリアとの微妙な関係
NZ人にとって「キウィ」と呼ばれることは誇りだが、「オーストラリア人と一緒にしないでくれ」という感情も根強い。経済的・文化的にオーストラリアの影響を強く受けているにもかかわらず、独自のアイデンティティへのこだわりは強い。
実際の両国間の人の行き来は多く、NZ人がオーストラリアで働き、オーストラリア人がNZに来るという流れも常にある。親しみがある分だけ、「一緒にしないで」という気持ちも強くなる——日本人が韓国と間違えられたときの感覚に近いかもしれない。
NZに住むなら「謙虚に自分の意見を持ちながら、自然と親しみ、軽いユーモアを忘れない」ことが職場・近所付き合いどちらでも機能する。