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ラム肉の国で羊が減っている——NZ牧羊業の変化

かつて「人より羊が多い国」として知られたNZ。ピーク時の7,000万頭から今は大きく減少した。酪農・牛肉・園芸への転換が進む農業変化と、今もラム肉文化が生きる食の現実。

2026-06-18
農業ラム肉

この記事の日本円換算は、1NZD≒90円で計算しています(2026年5月時点)。為替は変動するので、現地通貨の金額を基準にしてください。

「NZは人より羊が多い国」——これはかつて事実だった。1980年代のピーク時には約7,000万頭の羊がいたとされ、当時の人口約300万人の20倍以上だった。

2024年現在、羊の数は約2,400万頭程度まで減少したと推計されている(NZ政府農業統計ベース)。人口は約500万人になっているので、今や「人より少し多い」程度だ。


なぜ羊が減ったのか。1980年代後半からの農業補助金廃止、ウール(羊毛)価格の長期低迷、酪農への転換が主な要因だ。

ウールはかつてNZの最大輸出品のひとつだったが、合成繊維の台頭で国際価格が低迷し続けた。羊を剃って得られるウールの価格が、剪毛コストを下回るケースすら出てきた。これではウール目的での羊の飼育は成り立たない。

一方、中国・アジア向けの乳製品(バター・チーズ・粉ミルク)需要が急増したことで、牧草地を酪農牧場に転換する農家が増えた。これが羊の頭数減少の大きな要因だ。


ラム肉(子羊の肉)はNZの輸出品として今も重要な位置を占める。英国・中国・米国向けの輸出が主要市場で、「NZ産ラム」はグリーンパスチャー(牧草飼育)として品質評価が高い。

国内消費でもラムは「NZの家庭料理」の定番だ。ロースト・ラム(日曜の昼食として伝統的)、ラムチョップのバーベキュー、ラムシャンクの煮込み——スーパーでもラム肉は豊富な種類が並ぶ。


日本人がNZのスーパーで驚くことのひとつが「ラム肉の豊富さ」と「豚肉・鶏肉より安いラム肉」の存在だ。肉の価格構造が日本と異なる。

ラム肉を食べ慣れていない日本人には臭みを感じることもあるが、グリーンパスチャー育ちの若い子羊の肉は脂の旨みが強く、香辛料不要でシンプルに焼くだけで美味しい——という声も多い。NZに来たら一度、ラムチョップを試してみる価値はある。

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