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観光・文化

ロード・オブ・ザ・リングの聖地——映画ロケ地観光と在住者の「また聞かれた感」

ニュージーランドはロード・オブ・ザ・リングとホビットの撮影地。ホビット村・フィヨルドランド・カウリ山等のロケ地情報と、在住日本人が感じる観光客との温度差。

2026-04-06
ロード・オブ・ザ・リング観光ホビットロケ地映画

NZに住むと、一度は聞かれる。「ホビット村、行きましたか?」。観光客との会話でも、日本から遊びに来た友人との会話でも、必ずこの話題が出る。NZといえばLOTR(Lord of the Rings)——それは世界共通の認識になっている。

主なロケ地

ホビット村(Hobbiton)——ワイカト地方・マタマタ近郊

映画で最も有名なロケ地。実際の農場に映画セットが残されており、現在は有料ツアーとして公開されている。ツアー料金は成人NZD 49〜90程度(内容によって異なる)。

オークランドから車で約2時間。公共交通では不便なため、レンタカーかツアーバスを使うのが一般的だ。

フィヨルドランド国立公園——サウスランド地方

ドールトン渓谷やフェアリーフォールズなど、ミドルアースの映像美の多くはここで撮影された。アイゼンガルドとして登場するシーンはミルフォード・サウンド周辺が多い。観光としての価値は映画とは独立して高く、在住者も年に一度は訪れることがある景勝地だ。

エドラス(Mount Sunday)——カンタベリー地方

王の帰還でロアン王国の首都として登場した草原の丘。アシュバートンの近くにあり、車でアクセスする。観光インフラはほとんどなく、自然の中に立つ小さな丘そのものだ。ファン向けの「何もないけど感動する場所」の筆頭。

アイゼンガルド(Fiordland National Park)

ミルフォード・サウンド方向へのルート上にある「Paradise」という地区で撮影された。ロトルア周辺にも複数の撮影場所が存在する。

在住者から見たロケ地観光

NZ在住者の間では「ロケ地観光は1回行けば十分」というのが正直なところだ。ホビット村は映画ファンには間違いなく価値があるが、NZの自然そのものに比べると「人工感」がある。実際に在住者が繰り返し訪れるのは、映画に使われた「実際の自然景観」の方だ。

ミルフォード・サウンド、ルートバーントラック、フォックス氷河——これらはロケ地かどうかに関係なく圧倒的な景観を持つ。映画のファンなら聖地巡礼を楽しめるが、映画を見ていなくても十分すぎるほど価値がある場所が多い。

ツーリズムへの影響

LOTRはNZの観光産業に実質的な影響を与えた。ピーター・ジャクソン監督のWeta Workshopはウェリントンに本拠を置き、「Weta Cave」として見学施設を公開している。

政府観光局Tourism NZが「100% Pure New Zealand」のキャンペーンで映画のイメージを積極的に活用してきた歴史もある。NZの観光が「自然+映画」という組み合わせで世界から認知されたのは、ある意味で国家ブランディングの成功例だ。

在住者としては、ロケ地を聞かれるたびに「まあ1回はホビット村行ってみるといいよ」と答えるのが定型になっている。それ以上でも以下でもない、というのが現地の空気感だ。

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