NZの住宅ローン危機——金利7%時代に家を買うということ
オークランドの中間値住宅価格は100万NZDを超える水準で推移してきた。高金利・高家賃・住宅不足が重なるニュージーランドの住宅問題の構造と、移住者への影響。
この記事の日本円換算は、1NZD≒90円で計算しています(2026年5月時点)。為替は変動するので、現地通貨の金額を基準にしてください。
ニュージーランドで家を買う、という選択は2020年代に入って大きく難しくなった。コロナ禍前後の価格高騰、その後の高金利局面——住宅購入を諦めて賃貸に留まる若い世帯が増え、「家を持てない世代」という問題が社会的なテーマになっている。
オークランドの住宅中間値(median price)は2021年のピーク時には100万NZD(約9,000万円)を超えた。その後市場は調整されたが、依然として高水準が続く。
住宅ローン金利は2022〜2024年に大幅に上昇した。NZ準備銀行(RBNZ)が急速に政策金利を引き上げた結果、変動金利型住宅ローンの金利は6〜7%台に達した。2021年に3〜4%で借りた人が更新時期に6〜7%に切り替わり、月々の返済額が大幅に増えるケースが続出した。
「住宅ローンの支払いが月に数百NZD増えた」という話は、オークランドの住宅オーナーの間で2023〜2024年によく聞かれた話だ。
賃貸市場も厳しい。オークランドの2ベッドルームアパートの家賃は週600〜800NZD(月1NZD=90円換算で約216,000〜288,000円)が相場感とされるエリアが多く(推定)、収入に占める家賃の比率が高くなっている。
住宅不足の背景には、移民の急増(特にコロナ禍後の回復期)、建設コストの上昇、インフラ制約によるゾーニングの問題がある。オークランド市はゾーニング改革(中密度住宅ルール変更)を実施し、一戸建てエリアでも集合住宅建設を認める方向に転換しつつある。
移住者への影響は直接的だ。永住権を取得する前の段階では、外国人のNZ不動産購入は法律上原則禁止(2018年の海外投資改正法)されている。これは購入を諦め賃貸に集中することを意味し、需要が賃貸市場に集中する構造になっている。
永住権取得後は購入できるが、高価格・高金利の中での意思決定を迫られる。「頭金を貯めるより早く価格が上がる」という焦りを感じている移住者は少なくない。
ニュージーランドの住宅問題は構造的だ。短期的な解決策は見当たらず、政策介入と市場の動向を長期で見ていく必要がある。移住先として検討するなら、住居費を生活コスト計算に織り込むことが欠かせない。