オークランドはアジアの都市になっているのか——多文化都市の実態
オークランドの人口の約40%はアジア・太平洋諸島出身者だとされる。中国系・インド系・韓国系・フィリピン系のコミュニティが共存する「最も多様なNZの都市」の日常。
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オークランドのCBD(中心部)を歩くと、会話の中に英語・中国語(北京語・広東語)・韓国語・ヒンディー語・タガログ語が混ざっているのが普通の光景だ。2023年の国勢調査ではオークランドの欧州系(パケハ)の比率は50%を切り、アジア系・太平洋諸島系・マオリの合計が過半数に達しつつあるとされる。
「ニュージーランドの都市」のイメージが英国系白人の街だとすると、オークランドはかなり前にそのイメージを超えている。
中国系コミュニティはオークランドで最大のアジア系グループのひとつだ。東区(イーストエリア)のホイック(Howick)・パーネル・アルバニーなど複数のエリアに集積があり、中国語スーパー・レストラン・学習塾・不動産業者が揃うエリアが形成されている。
韓国系はノースショア(ノースコート・グレンフィールド周辺)とCBD近辺に集中している。本格的な韓国料理店・スキンケアショップ・K-POP関連の文化が凝縮したエリアがある。
インド系はパパトエトエ(Papatoetoe)やマンガーレ(Mangere)などの南オークランドに多く、サリー・スパイス・ヒンディー語の看板が並ぶ商店街がある。
このような多様性は、日本人移住者にとっても暮らしやすさに直結する。日本食材スーパー(Pacific International・Asian Food Centre等)、日本語対応の不動産業者、日本語の美容院——こうした日本人向けサービスがオークランドに一定程度存在するのは、アジア系移民コミュニティが形成した多文化インフラのおかげでもある。
ただし多文化都市であることは「摩擦がない」を意味しない。住宅価格の高騰をめぐる「外国人投資家への批判」がアジア系移民全体への偏見につながった時期もある。2019年のクライストチャーチ銃乱射事件は、白人至上主義者によるムスリムコミュニティへのテロだった。多様性は今も問い続けられている価値だ。
オークランドで暮らすとは、この問いの中に自分を置くことでもある。