ネットボールという国民スポーツ——ラグビーの陰にあるNZ女性スポーツ
ニュージーランドでラグビーは男性スポーツの代名詞だが、女性にはネットボールがある。シルバー・ファーンズは世界トップクラスで、学校でも最も人気の高いチームスポーツのひとつだ。
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ニュージーランドに来た日本人が「ラグビーは知っているが、ネットボールって何?」と感じることがある。そのくらい、日本ではマイナーなスポーツだ。しかしNZではネットボールはラグビーと並ぶ国民的スポーツで、特に女性・女子の競技参加者数という観点では最大規模のチームスポーツのひとつとされる。
ネットボールはバスケットボールに似た球技で、7人制・コート上での移動制限(ボールを持ってはいけない)・バックボードなしのリング(ゴール)が特徴だ。1800年代末に女性向けスポーツとして発展し、現在はコモンウェルス(英連邦)各国で特に盛んだ。
NZの女子代表チームは「シルバー・ファーンズ(Silver Ferns)」と呼ばれる。オールブラックス(男子ラグビー代表)と同じシルバーファーン(シダの紋章)を使うことが、NZのスポーツ文化における地位の高さを象徴している。
シルバー・ファーンズは長年世界ランキングの上位(1〜3位)に位置し、2019年のネットボールワールドカップでは決勝でオーストラリアを破って優勝した。この優勝は国内では大きなニュースとなった。
学校のコート(ネットボールコート)は全国各地の学校に設置されており、放課後の部活動・地域クラブでの活動が盛んだ。女の子が「何スポーツをやっているか」という会話で「ネットボール」が出てくる頻度は非常に高い。
「女性スポーツへの待遇改善」という問題はNZでも議論されている。シルバー・ファーンズ選手の報酬・スポンサーシップがオールブラックスと比べて低い時期があり、一部の選手がこれを公に批判したことがある。近年は代表選手への待遇が改善されてきているが、プロリーグ(ANZ Championship)の存続・資金調達の問題は継続中だ。
NZのスポーツ文化を理解するなら、ラグビーだけでなくネットボールを知っておくと、特に女性の同僚・友人との会話がぐっと広がる。週末の試合観戦に誘われたときに「シルバー・ファーンズ知ってる」と言えると、距離が縮まる。