太平洋諸島文化——サモア・トンガ・フィジー系コミュニティとの共存
ニュージーランドには多くのパシフィックアイランダー(太平洋諸島系)コミュニティが暮らす。サモア・トンガ・フィジー・クック諸島系の文化と、在住日本人との日常的な関わり。
NZは「太平洋の国」という側面を持つ。地図を見ればNZは広大な太平洋の西端に位置し、サモア・トンガ・フィジー・クック諸島・ニウエ・ツバルなどの太平洋の島々と歴史的・地理的なつながりを持つ。
オークランドは「世界最大のポリネシア人都市」と呼ばれることもある。人口の約15%がパシフィックアイランダー系(太平洋諸島系)で、その多くがオークランド南部(サウスオークランド)やウェストオークランドに集住している。
パシフィックアイランダーの移民史
1950〜70年代、NZ政府は労働力不足を補うために太平洋諸島から移民を積極的に受け入れた。サモア・トンガ・クック諸島・フィジーからの移民が増加し、現在は2〜3世代目も多くなっている。
クック諸島・ニウエ・トケラウはNZの自由連合国または直轄領で、その住民はNZ市民権を持つ。「移民」というカテゴリではなく、NZ国籍を持つ人々だ。
コミュニティの特徴
パシフィックアイランダーのコミュニティは家族のつながりが非常に強い。大家族が集まる週末のバーベキュー、教会を中心とした地域コミュニティ、音楽・ダンスが日常に根付いた文化——これらがNZ社会の一部として存在している。
ラグビーとのつながりも深い。NZの国民的スポーツであるラグビーの代表チーム・オールブラックスの多くの選手が、マオリ系またはパシフィックアイランダー系だ。彼らのフィジカルと文化的背景がNZラグビーの強さの一部を形成している。
在住日本人との日常的な接点
パシフィックアイランダーの人々と日常的に接するのは、主に職場と地域だ。サービス業・建設業・食品加工業などに多く働いており、ワーキングホリデー中に農場や工場で一緒に働く機会がある。
性格的にはオープンでフレンドリーな人が多く、初対面でも笑顔で話しかけてくれる場面が多い。言語の壁はあるが、コミュニケーションの障壁は低い方だと感じる日本人も多い。
NZ社会の中での課題
一方で、パシフィックアイランダーのコミュニティは社会経済的には課題も抱えている。教育水準・収入・住環境の面で格差が存在し、政府の取り組みが続いている。
NZはマオリ文化とパシフィックアイランダー文化の両方を重要な国民的遺産として位置づけている。「多文化主義」を建前ではなく実態として議論し続けている社会だと感じるのが、日本との大きな違いだ。
太平洋の風が吹くオークランド——アジアでもヨーロッパでもない、「太平洋の大都市」という認識を持つと、NZの街の見え方が少し変わる。