Kaigaijin
海外在住日本人のメディア
お金・税金・銀行

NZの年金(スーパーアニュエーション)——65歳から全員もらえる制度の実態

ニュージーランドには拠出額に関わらず65歳から受け取れる国家年金がある。積立方式のKiwiSaverと組み合わせるNZの老後保障の仕組みと、移住者への適用条件。

2026-06-10
年金老後資金社会保障

この記事の日本円換算は、1NZD≒90円で計算しています(2026年5月時点)。為替は変動するので、現地通貨の金額を基準にしてください。

ニュージーランドには「スーパーアニュエーション(NZ Super)」と呼ばれる国家年金制度がある。65歳に達し、一定の居住要件を満たせば、就労歴や過去の拠出額に関わらず受給できる。日本の公的年金のように現役時代の収入・年金保険料に応じて受給額が変わる仕組みではなく、定額給付だ。

2025年時点での年金額は、独身者が約1,100NZD(約99,000円)/月(税引後概算)前後とされている(年度・税区分によって変動)。夫婦それぞれが受給できるため、夫婦の合算では月2,000NZD超になる。


日本と大きく異なるのは、「拠出しなくてもらえる」点だ。NZ国民だけでなく、永住権を持ち一定期間NZに居住した外国人も受給資格を得られる可能性がある。ただし居住要件(50歳以降にNZに一定年数居住していることが条件のひとつ)は複雑で、ニュージーランド移民局(INZ)の確認が必要だ。

日本のように「何十年も保険料を払い続ける」という前提がないため、移住者にとってはシンプルな面がある。ただし受給額だけで老後を賄うには厳しく、KiwiSaverや私的な貯蓄・投資が想定されている。


KiwiSaverは2007年に導入された任意加入の積立制度で、雇用主と従業員が一定割合を積み立て、退職時に引き出せる。雇用者の拠出義務があるため、就職して給与をもらう人は自動的に加入(脱退申請も可能)になる。

NZ移住者がKiwiSaverに加入した場合、将来NZを離れても積立額を引き出せる(条件あり)。帰国する際には積立金の扱いを確認しておく必要がある。


NZの年金受給開始年齢は65歳だが、人口高齢化を背景に受給年齢引き上げ(67歳へ)の議論が繰り返し政治課題になっている。財政持続可能性の観点から制度変更の圧力はあるが、有権者への影響が大きく、政治的な判断が伴う。

移住者の立場で老後設計を考えるなら、NZ Superがいつ・いくら受け取れるかを把握した上で、KiwiSaverや資産形成の計画を立てることが現実的だ。

コメント

読み込み中...