バスケットボール文化——フィリピンの国民スポーツとNBA熱
フィリピンはアジアで最もバスケットボールへの情熱が高い国のひとつ。PBA(フィリピンバスケットボール協会)の歴史とNBA熱、在比日本人が驚く路上コートの文化を紹介します。
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フィリピンに来て最初に気づく光景のひとつが、路上・広場・学校・スラム街にあちこち設置されたバスケットゴールだ。都市でも農村でも、コートさえあれば昼夜問わず誰かがボールを持って集まっている。
フィリピンがバスケットを愛する理由
バスケットボールがフィリピンに持ち込まれたのは1900年代初頭のアメリカ植民地時代だ。アメリカが学校教育とともにスポーツを普及させた結果、野球やアメフトより気軽に楽しめる(狭い土地でできる)バスケットが急速に広まった。
フィリピンのバスケ熱はアジアでも突出しており、FIBA世界ランキング(競技力という意味では中程度だが)よりも「文化的浸透度」という意味では群を抜いている。「フットボールはアジアの競技、バスケはフィリピンの競技」と言う現地人もいる。
PBA(Philippine Basketball Association)
PBAは1975年に設立された、アジア最古のプロバスケットボールリーグだ(NBAに次いで世界2番目)。TNT Tropicana、San Miguel Beermen、Ginebra San Miguel(ジネブラ)などのチームが知られており、特にジネブラは全国的な人気を誇る。
フィリピン人同士の会話でジネブラを支持するかどうかは重要な話題で、在比日本人も「どこのファン?」と聞かれることがある。試合チケットはPHP200〜PHP1,500(約540〜4,050円)程度で入手でき、フィリピン人の友人・同僚を誘って行くと関係が深まりやすい。
NBA熱とスーパースター信仰
NBAへの関心も高く、カーリー・カリーやレブロン・ジェームズのジャージを着た若者は珍しくない。かつてフィリピン系アメリカ人選手がNBAで活躍するたびにメディアが大きく取り上げ、「フィリピン系の血を引く選手」への特別な思い入れがある。
語学学校・BPO(コールセンター)・家事代行などでフィリピン人と接点を持つ在比日本人は、バスケを共通言語にすると会話のきっかけを作りやすい。